研究課題/領域番号 |
20K08749
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
馬場 智久 金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (00452095)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 細胞外小胞 / 細胞質内DNAセンサー / 造血幹細胞移植療法 / 骨髄性白血病 / 慢性骨髄性白血病 / ドナー細胞由来白血病 / 白血病 / 骨髄移植治療 |
研究開始時の研究の概要 |
多様な病態を示す白血病に対して、共通して適用できる造血幹細胞移植療法は、血液臨床上強力な治療手段であると考えられている。しかし、治療後に残存した白血病細胞からの白血病の再発に加えて、移植した正常ドナー骨髄細胞が新たに白血病化する、いわゆるドナー細胞由来白血病による再発の報告が近年増加しており、臨床上重大な問題となっている。 本研究では、原因不明の疾患であるドナー細胞由来白血病の発症機序を明らかにするために、実験モデルを独自に開発し、それを用いた詳細な解析を行う。さらには、その発症予防法を開発することで、より安全で効果的な骨髄移植治療法の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、代表的な白血病治療法である、造血幹細胞移植療法を行った際に、稀に発症することが報告されている原因不明の疾患であるドナー細胞由来白血病(DCL)のマウス実験モデルを確立し、その病態生理学的解析から、白血病細胞から分泌される2本鎖DNA断片を高レベルに含有した細胞外小胞が、ドナー造血幹細胞に水平伝播され、その結果、細胞質内DNAセンサーシグナル経路の活性化を介してドナー造血幹細胞の悪性形質転換の原因となっていることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血幹細胞移植治療後に、正常であるはずのドナー骨髄細胞から、骨髄異形成症候群(MDS)やAML、ALLなどの種々の白血病が発症するDCLは、原因不明で不可思議な疾患である。また、DCLは、通常の再発白血病と比べて悪性度が高いことから、世界的に臨床上大きな問題となっている。本研究成果から、白血病細胞由来の細胞外小胞が原因の一つとなっている可能性が強く示唆されており、DCLの病態解明にかかわる重要な知見であると考えられる。
|