研究課題/領域番号 |
20K08754
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
江口 峰斉 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (50420782)
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研究分担者 |
江口 真理子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (40420781)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小児白血病 / 前白血病幹細胞 / 白血病幹細胞 / 融合遺伝子 / 白血病 / 小児 / MLL融合遺伝子 / TEL融合遺伝子 / 遺伝子異常 |
研究開始時の研究の概要 |
急性白血病は小児期で最も多いがんであり、その治療成績は改善したが、治癒後長期にわたり後遺障害に苦しむ患者も少なくない。白血病の後遺症なき根治のための戦略として重要なのはその発症予防である。 白血病は遺伝子異常の獲得・蓄積に基づき発症する。最初に獲得した遺伝子異常(1st hit)により自己複製能を獲得した造血細胞は前白血病幹細胞となり、さらなる遺伝子異常(2nd hit、3rd hitなど)の獲得により増殖能の亢進した白血病幹細胞 (白血病として発症)となる。本研究では前白血病幹細胞の生存・維持に必要なメカニズムを解明し、前白血病幹細胞の根絶による小児急性白血病の発症予防の可能性について検討することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では前白血病幹細胞を標的とする小児急性白血病の発症予防の可能性について検討した。小児期の白血病で高頻度に認められるMLL-AF4、TEL-AML1融合遺伝子を有する前白血病幹細胞モデルをマウスES細胞とiPS細胞を用いて作製した。これらの白血病特異的な融合遺伝子のみでは前白血病幹細胞にとどまっており、白血病化には十分ではないが、ランダムな挿入変異の導入により、白血病幹細胞への進展が得られた。またiPS細胞モデルでは白血病患者由来のiPS細胞では増殖刺激により低頻度ではあるが融合遺伝子の形成が認められた。融合遺伝子の生成には患者の有する何らかの遺伝的背景が関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療法の進歩により小児白血病の治療成績は近年大きく改善している。しかしながら強力な化学療法による副作用が成長障害などの長期的な後遺障害を引き起こすことも多い。白血病の発症予防が可能となれば小児白血病の予後の改善が期待できる。前白血病幹細胞は白血病幹細胞へ進展し、白血病発症の元となる重要な細胞である。白血病の発症予防のためには前白血病幹細胞の根絶が必須であり、その生存・維持のメカニズムと白血病幹細胞への進展のメカニズムが明らかになれば、新たな治療法の開発へつながり、小児白血病患者の予後改善が可能となる。
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