研究課題/領域番号 |
20K08773
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) 京都大学 (2020) |
研究代表者 |
橋本 求 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (60512845)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 腸内細菌叢 / Th17細胞 / ZAP70 / TCRシグナル / Th17 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / 自己抗体 / 腸内細菌 / 動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、TCRシグナル伝達不全の結果、関節炎やSLEを自然発症する動物モデル(SKG)を用いて腸内細菌叢やそれにより誘導されるTh17細胞が病態に寄与するメカニズムを解明し、ヒト臨床研究にも応用する。具体的には、下記の3点を検討する。 (1)C57BL/6背景のSKGマウスのSLE発症におけるMicrobiota-driven Th17の関与 (2)BALB/c背景のSKGマウスの関節炎発症におけるBacterial translocationの関与 (3)ヒト臨床検体を用いたMicrobiota-Th17-自己抗体Fc糖鎖修飾と疾患活動性の関係
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研究成果の概要 |
ZAP70変異の結果B6背景でSLEを、BALB/c背景で関節炎を起こす2つの動物モデル(SKG)を用い、全身性自己免疫疾患の発症における腸内細菌叢の役割を検討した。B6-SKGマウスでは、1)SLEの発症には腸内細菌叢が必須であり、2)腸内細菌叢の偏移によりTh17分化が誘導され、3)Th17は自己抗体のFc部分の糖鎖の脱シアル化を促進することでSLE発症に寄与すること、を明らかにした。BALB/c-SKGマウスを用いて、1)SKGマウスでは腸炎誘発により関節炎などのSpA病態が起きること、2)関節炎発症には生体内への腸内細菌のtranslocationが関係していること、を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLEやSpAなどの全身性自己免疫疾患の発症メカニズムはまだよくわかっていないが、近年の研究により腸内細菌叢のかかわりが指摘されている。本研究では、腸内細菌叢がSLEやSpAなどの全身性自己免疫疾患の発症につながる分子メカニズムの一端を明らかにした。これらの研究成果は、腸内細菌叢とその生体内移行、もしくはTh17細胞の分化誘導やそれによる自己抗体の糖鎖修飾の変化が、自己免疫疾患の治療ターゲットとなりえることを示した。
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