研究課題/領域番号 |
20K08787
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
加藤 祐子 長崎国際大学, 薬学部, 薬学研究センター訪問研究員 (40301676)
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研究分担者 |
大庭 義史 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (50274478)
河本 正次 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 教授 (90294537)
塩路 幸生 福岡大学, 理学部, 准教授 (80291839)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サンゴ由来アレルギーの発症 / サンゴ由来赤色蛍光蛋白質 Akane / 抗原ー抗体反応 / 職業性アレルギー / サンゴ由来アレルギー / サンゴ由来蛍光蛋白質 / 抗原―抗体反応 / サンゴ由来蛍光タンパク質 / LC-QTof/MS / エピトープマッピング法 / 共焦点顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、漁業従事者に重篤なアレルギーを惹起する原因物質を究明する中でサンゴ由来のアレルギー性タンパク質が原因と解り、これを Akane と名づけた。このAkaneは赤色蛍光を発する蛍光タンパク質であることも発見した。このAkane遺伝子から発現させた組換え体Akaneや他の赤色蛍光タンパク質が、サンゴアレルギー患者血清IgEとの抗原-抗体反応を呈するか否かを各種方法で解明する。更にLC-QTof/MS 法で、酵素消化した断片ペプチドの配列を決め、抗原性を解明する。その後エピトープマッピング法を駆使して、エピトープ部位を決定し特異的抗原抗体の結合パターン解析を行う。
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研究実績の概要 |
環境中の海洋生物サンゴが、漁師らに重篤なアレルギー症状を引き起こしており、サンゴがアレルゲンとなるかのかどうかは、これまで甚大な関心を持たれてきた。
この天然型サンゴ由来の蛋白質(Akane と命名)が、サンゴアレルギー患者血清と抗原ー抗体反応を起こし、漁師らが発症したサンゴアレルギーのアレルゲンとなっていることがWestern Blotting法、および ELISA法などから判明した。さらにサンゴ遺伝子から作成したプラスミドを大腸菌体内で発現させた、遺伝子組換え型蛋白質 Akane (r-Akane)は、上記のサンゴアレルギー患者血清と、抗原ー抗体反応をしめすことを特定した。この r-Akane は、蛍光波長が 642 nm の赤色蛍光を発しており、天然型蛍光蛋白質Akaneと相同性を示している。
これらの研究成果から、漁師らが発症しているサンゴアレルギーの原因物質は、天然型および遺伝子組換え型においても、Akane 蛋白質が重篤なアレルギーを引き起こすアレルゲンであること、同時にいずれも赤色蛍光蛋白質であることを世界で初めて明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の進捗状況について。本研究は2020年4月に採択されたが、丁度その時期にコロナ感染が広がり感染対策のために、大学への入構の制限が行われ、2020年4月~2022年春ころまで研究・実験の実施や研究分担者の大学への交流が困難であった。2022年後半ころからは徐々に緩和されてきたので、当初予定した実験実施や大学間の往来が可能となり研究は進んだ。現在は、研究の当初目的である、漁業従事者にアレルギーを起こす、天然型サンゴ由来Akane 蛋白質が、このアレルギーを引き起こすアレルゲンであることを決定し、さらに、遺伝子組換え型akane 蛋白質もアレルゲンであることが判明した。またいずれも、赤色蛍光蛋白質であることが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
環境中の海洋生物サンゴ由来蛍光蛋白質をAkaneと命名している、この天然型Akaneタンパク質がサンゴアレルギー患者血清と抗原ー抗体反応を起こし、アレルゲンとなっていることがわかってきた。さらに、天然型蛍光蛋白質Akane 遺伝子のプラスミドから発現させた、組み換え型蛍光蛋白質Akane (r-Akane)と,サンゴアレルギー患者血清は、同じく抗原ー抗体反応を呈した。
今後の研究の推進方策として、細胞や種々の動物などへ導入され活用されている種々の蛍光蛋白質は、サンゴ由来が多くあり、Akane 蛍光蛋白質とアミノ酸配列の相同性が高い。これらの蛍光蛋白質と,サンゴアレルギー患者血清との抗原ー抗体反応をおこない、それら蛍光蛋白質(Ds-Red, Kaede など) もアレルゲンタンパク質となるのかを、精査し本研究の推進をはかっていく。
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