研究課題/領域番号 |
20K08811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岡山 吉道 日本大学, 医学部, 准教授 (80292605)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マスト細胞 / IgE / 慢性特発性蕁麻疹 / 好塩基球 / 脂質メディエーター / MRGPRX2 / hemokinin-1 / substance P / 抗IgE自己抗体 / free IgE / オマリズマブ / アトピー性皮膚炎 / hemokinin 1 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性特発性蕁麻疹 (CSU) は, 皮膚マスト細胞の脱顆粒と好塩基球および好酸球の病変への集積が特徴である. CSUの病態をASSTの結果および血清IgE値で分けて検討し, 今回ASST陽性を来すマスト細胞活性化機構の解明とその受容体を決定することを第一の目的とする. 第二の目的は, 皮膚マスト細胞が活性化され産生されるメディエーターが引き金となって好塩基球と好酸球の病変への集積を惹起しているものと考え, 症状のあるCSU患者と健常人の血漿中および皮膚角質の脂質メディエーターを網羅的に解析(脂質メタボローム解析)し,遊走因子および活性化制御因子を同定することである.
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研究成果の概要 |
重症慢性特発性蕁麻疹 (CSU)患者の皮膚マスト細胞 (MC) にはMRGPRX2が高発現しており, hemokinin-1 (HK-1)は, MRGPRX2のリガンドではあるがMCの脱顆粒には高濃度を必要とし, MCの脱感作を起こした. 血清HK-1濃度は, 健常人よりもCSU患者で有意に低かった. CSU患者と健常人の血漿から固相抽出法で酸化脂肪酸を抽出し液体クロマトグラフィー質量分析計を用いて比較した. CSU患者において5-HETEは, 有意に高値であり, IgE依存性の好塩基球の活性化を増強したことからCSUの治療標的になりうる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性特発性蕁麻疹 (CSU) 患者の皮膚マスト細胞 (MC)の活性化機序としてIgE依存性の機序のみならずMas-related G protein-coupled receptor X2 (MRGPRX2)を介した系が存在し, CSU患者血清中substance P濃度は健常人と比較して有意に高いが, 健常人の皮膚MCもMRGPRX2を発現していることから何らかのMRGPRX2によるMC活性化抑制機構が存在していると考えられた. hemokinin-1がその役割を果たしていることが示唆された. CSU患者の血漿中のアラキドン酸代謝物の5-HETEはCSUの新たな治療標的になる.
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