研究課題/領域番号 |
20K08820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小川 栄一 九州大学, 医学研究院, 助教 (70621283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 肝細胞癌 / 脂肪性肝炎 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / GWAS / 肝脂肪化 |
研究開始時の研究の概要 |
経口抗ウイルス薬(DAA)によりC型肝炎ウイルス(HCV)排除が容易となったが、特に高齢者において肝病態の改善がない症例や肝癌発症例が多い。本研究はDAA治療によりHCV排除を達成した症例を対象とし、非侵襲的肝線維化・脂肪化評価装置(FibroScan)を用いた実臨床データを基に、脂肪性肝炎に関連したゲノムワイド関連解析を実施する。HCV排除後の肝線維化進展および肝発癌の特徴を明らかにし、個別のリスク評価を明確にすることで最適なHCV排除後のモニタリング方法を提案する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、C型慢性肝炎に対して抗ウイルス(DAA)治療によりC型肝炎ウイルス(HCV)排除を達成した症例を対象とし、長期予後に関して脂肪性肝炎との関連を解析したものである。HCV排除が達成された症例に対して、脂肪性肝炎に関連したPNPLA3遺伝子を測定したところ、遺伝的背景がHCV排除後の予後に強く関連した。さらに、治療開始時の肝予備能が非代償性肝硬変に進展するリスクと関連していることが判明した。 HCV排除後の肝線維化進展および肝発癌に関しては、特に肝予備能が良好な症例において、脂肪性肝炎の存在が大きく関連し、それは関連遺伝子からも予測可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
C型慢性肝炎は比較的容易にウイルス排除が可能な時代となったものの、治療後に肝病態が悪化したり、肝癌を発症する例が後を絶たず、その要因を明らかにすることが求められている。本研究において、脂肪性肝炎の存在、その遺伝的背景、さらには治療開始時の肝病態が長期予後に大きく関連することが判明した。これらは将来的な肝癌抑止のために有効な手法を検討する重要な知見と考えられる。
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