研究課題/領域番号 |
20K08821
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
森永 芳智 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30580360)
|
研究分担者 |
村田 美香 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (30866976)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 薬剤耐性菌 / ESBL産生菌 / カルバペネム耐性菌 / カルバペネマーゼ産生菌 / マルトース / 糖代謝 / 腸内細菌叢 / 漢方 / colonization resistance / 共生細菌 / マイクロバイオータ / 糖 |
研究開始時の研究の概要 |
共生細菌が持つ力を利用した薬剤耐性菌制御方法の構築を目標としている。これまでの薬剤耐性グラム陰性菌による腸管定着モデルマウスでの、細菌叢解析と細菌叢遺伝子発現解析から、「耐性菌定着に“抵抗的”な腸内環境」では嫌気性菌が多く、細菌叢の糖代謝活性が高いことがわかった。定着抵抗的な宿主由来の細菌叢あるいは共生嫌気性菌群を利用した耐性菌排除効果を確認し、特に有力な細菌叢・細菌群を特定する。また、共生細菌と耐性菌の間にある糖利用競争に着目し、耐性菌排除機序を明らかとする。さらに、多種の薬剤耐性グラム陰性菌への有用性を確認して、より実践的な耐性菌定着抵抗的な腸内環境への転換という新しい戦略を提言する。
|
研究成果の概要 |
マウスモデルを用いて、糖質接種が与える腸内薬剤耐性菌の残存状況について解析を進めた。このなかで、とくに乳糖はマウスを用いたESBL耐性菌ならびにカルバペネム耐性腸内細菌目細菌の腸管感染を遷延させることが明らかとなった。特に乳糖接種機会が多い乳児期ではESBL産生菌の定着がすでに19.3%あることが明らかとなった(Front Cell Infect Microbiol 2023, 13:1168451)。また、ESBL産生菌の国際的流行株である大腸菌ST131株が、腸内環境において耐性遺伝子を肺炎桿菌に移しやすいということが判明した(Int J Urol 2022, 29:587-594)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宿主の腸管機能が成熟していく過程において変化する食事に対応するように、大腸菌が優先利用する糖質をうまく選定していることが推測された。大腸菌や薬剤耐性を考えるうえで極めて重要な細菌であるが、宿主が本質的に有する栄養摂取に適応できることが薬剤耐性の蔓延の背景にあると考えられた。本研究成果は、薬剤耐性菌の制御として、食事性因子を介した細菌の抑制などに応用できる可能性がある。
|