研究課題/領域番号 |
20K08828
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
宮崎 治子 東京医科大学, 医学部, 准教授 (10527948)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | type 1 pilus / 肺炎球菌 / 付着因子 / ワクチン / 薬剤耐性 / 血清型置換 |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌の付着因子type 1 pilusの定着における働きと薬剤耐性化への寄与の解明および遺伝子発現抑制薬による定着予防と治療を目標として、①上皮細胞を用いてpilus保有株と非保有株および遺伝子欠損株と相補株における付着性を比較する。②動物を用いて各株の気道定着と肺炎への進展を観察する。③遺伝子欠損株および相補株の薬剤感受性を比較する。④遺伝子発現抑制薬を検索し、定着予防・治療への応用を検討する。
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研究実績の概要 |
肺炎球菌は現在100種類の血清型が報告されており、肺炎球菌定期接種開始後、ワクチンに含まれない血清型による感染症の割合が増加している(血清型置換)。私達が臨床材料から収集した肺炎球菌株の検討で最も多く分離された非ワクチン血清型35Bは、RrgC遺伝子(RlrA isletにコードされる繊毛 type 1 pilusのサブユニット)を高率に保有しており、また、rrgC陽性株はペニシリンのMICが1μg/mL以上の株で高頻度であった(Miyazaki H, et al., 2020)。Piliは気道上皮細胞に結合する付着因子であり、宿主の炎症反応を惹起すると報告されているが、病原性への関与や薬剤に対する影響はまだ不明な点が多い。そこで、血清型35Bにおけるtype 1 pilusの定着における働きと薬剤耐性化への寄与の解析、およびpilus発現抑制薬による定着予防および治療を目的として研究を行い下記の結果を得た。 臨床分離35Bのうちtype 1 pilus遺伝子を持つのはclonal complex(CC)558の株であった。80株のCC558を用いてA549肺胞上皮細胞への付着率を比較検討し、付着性が高い株を選択し、相同組み換えを用いてpilus欠損株を作製して細胞付着性や薬剤感受性を比較した。(1) 細胞付着性: A549細胞を培養し、親株およびpilus欠損株を加え、反応後に付着率を測定した結果、株により程度差があるが欠損株では付着率が低下することが示された。(2)pilusが薬剤感受性に与える影響の評価: 親株および欠損株を用いて各種抗菌薬の薬剤感受性を測定した結果、明らかな差異を認めなかった。35B/ST558の薬剤耐性機序へのtype 1 pilusの明らかな関与はないと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
type 1 pilus遺伝子を有する35B/CC558収集株の中から付着性が高い株を選択し、pilus欠損株との比較実験を行ったが、35Bの付着におけるtype 1 pilusの関与は、引用した標準株TIGR4の報告ほど明らかなものではなかった。そのため有意差の確認に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
【令和5年度】1. Pilus制御機構の検索:定量RT-PCRを用いて、rrgC発現を制御する物質や分子を探索する。 2.これまでの検討によって、1)非ワクチン血清型の中でも血清型35Bの検出が定期接種開始後に増加した原因としてtype 1 pilusにより定着しやすいことが関与するのか 2)pilus発現抑制による定着予防、治療が期待できるか、という問いに対する考察を行う。 3.総括・発表を行う。
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