研究課題/領域番号 |
20K08830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
小松 孝行 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20215388)
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研究分担者 |
田中 幸枝 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10197486)
森田 奈央子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20815881)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | パラミクソウイルス / ニューモウイルス / アクセサリー蛋白質 / 自然免疫 / インフラマソーム / インターフェロン |
研究開始時の研究の概要 |
パラインフルエンザウイルス(PIV)の重症呼吸器感染症,ニパウイルスの致死的新興感染症など,幅広いパラミクソウイルス(PMV)の予防・治療法が望まれている.私は,アクセサリー蛋白質Vに,インフラマソーム抑制能(抗FM能)が保存されていることを明らかにした.V欠損ウイルス[V(-)]は弱毒化するため,V蛋白質やそれが関わる宿主因子は予防・治療法の標的となる.しかし,現在のV(-)は抗FM能以外の機能まで喪失するため,その役割の解明は難しい.本研究では,先ずⅠ型PIVを用いて全容を解明し,その情報をもとに,抗FM能のみを欠失した組換えPMVをデザインし,FM能が予防・治療法の標的となるか検討する.
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研究実績の概要 |
インフラマソームは,自然免疫細胞を中心に発現する細胞質多タンパク質複合体で,感染に伴う危険シグナルに察知して活性化しIL-1βやIL-18を分泌させ抗ウイルス免疫を誘導する.そのため,ウイルスはインフラマソームの活性化を抑制する方が増殖に有利である.しかし,現在の抗インフラマソーム能欠失パラミクソウイルスは抗インフラマソーム能以外の重要な機能(抗インターフェロン能や増殖調節能)まで喪失しているため,抗インフラマソーム能の役割を解明することは難しい.本研究は,パラインフルエンザウイルスI型(PIV-1)とヒトメタニューモウイルス(HMPV)を用いて,抗インフラマソーム能のみを欠失した組換えウイルスを作出し,ウイルスの病原性における抗インフラマソーム能の役割を明らかにする.前年度までの研究によって,HMPVのM2-2蛋白質では抗インタ―フェロン能とウイルス増殖制御能を損なわずに抗インフラマソーム能のみを喪失した変異M2-2蛋白質を発現するプラスミドを複数構築することができた.しかし,PIV-1のV蛋白質では,抗インフラマソーム能と抗インターフェロン能を独立に喪失させることはできず目的の変異体を得ることはできなかった.そこで本年度は,抗インフラマソーム能のみを欠失した変異M2-2蛋白質を発現する組換えHMPVを複数回収し,培養細胞を用いて抗インフラマソーム能,抗インターフェロン能,増殖について評価した.その結果,回収した組換えHMPVはインターフェロン遺伝子を持つ細胞でも増殖が損なわれず,インフラマソームの活性化を抑制しないことが明らかとなった.
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