研究課題/領域番号 |
20K08847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
吉野 友祐 帝京大学, 医学部, 教授 (60624509)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HIV / 性腺機能低下 / 遊離テストステロン / 長期合併症 / 生活習慣病 / BAFF / Tatタンパク / SHBG / Late onset hypogonadism / テストステロン |
研究開始時の研究の概要 |
HIV感染者の管理には脂質異常などの長期合併症が重要となっている。本邦ではHIV患者の9割が男性である。長期合併症と関連があるとされる男性性腺機能低下について、後ろ向き研究でHIV感染症との関連性が指摘されているが、未だ十分評価されていない。そこで、HIV男性患者における性腺機能低下の有無及び長期合併症との関連を評価することとした。HIV感染患者及び非感染者による前向き観察研究により活性型テストステロン値に基づいた性腺機能低下の有無及び長期合併症との関連を評価し、性腺機能低下の危険因子の検索を行う。次いで、性腺機能低下のメカニズムを、また危険因子が存在すればその関与も併せ基礎研究で評価する。
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研究成果の概要 |
まず、男性HIV通院患者60名における、血清遊離テストステロン値(fTST)と、生活習慣病およびHbA1cなどの疾患に関連するマーカーとの関連を評価した。半数以上が遅発性性線機能低下症に合致し、 fTSTは高血圧の合併、HbA1c高値で低下しており、一部の生活習慣病は、 fTST低値によってもたらされている可能性が示された。合わせて基礎的にHIVと fTSTとの関係性を評価したが、まずHIV治療薬との関連を検討したが明らかなものはなく、一方でHIV感染者において増加すると考えられているB細胞刺激因子が肝細胞HepG2細胞から fTSTを減らす役割をもつSHBGの産生を促すことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、HIV感染者において発症が多く近年問題となっている長期合併症について、HIV感染者に多く認められる性腺機能低下がその発症のリスクを上昇させている可能性が明らかとなった。またその発症メカニズムは、HIV感染症に特異的なものである可能性が考えられた。以上より、HIV診療において、HIV感染患者のQOLを良好に保ち長期合併症を良好に管理するためには性腺機能低下の評価が重要であり、性腺機能低下へのアプローチが重要な鍵となる可能性を示す結果であった。本研究結果は今後のHIV診療に影響を及ぼす可能性があり、今後の研究次第では社会的に大きな意義を持つ研究の礎となると考えらた。
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