研究課題/領域番号 |
20K08852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
鈴木 亮介 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 室長 (50342902)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | A型肝炎 / A型肝炎ウイルス / 治療薬 / 低分子化合物 / 耐性変異 / 宿主因子 / レプリコン / 抗ウイルス薬 |
研究開始時の研究の概要 |
A型肝炎ウイルス(HAV)の増殖に関与する宿主因子についてはレセプターを含め同定されておらず、その感染様式や病原性の機序については不明な点が多く残されている。本研究では低分子化合物ライブラリーやCRISPRライブラリーを利用したゲノムワイドな遺伝子ノックアウトライブラリーを用い、HAVが肝細胞で感染/増殖する為に重要な宿主因子を探索、同定し、HAVの感染における宿主との相互作用を明らかにする事である。本研究によってレセプター等の感染に重要な宿主因子が同定され、またそのメカニズムを明らかにする事により、HAV感染による重症化の予防や治療法開発のための研究基盤の確立が期待できる。
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研究成果の概要 |
A型肝炎ウイルス(HAV)の感染、増殖に重要な宿主因子を同定する目的で、標的タンパク質が明らかになっている既知の薬理活性化合物ライブラリーのスクリーニングを行なった。その結果、統合失調症の治療薬としてFDAに承認されているロキサピンを同定した。ロキサピンはドーパミンD2受容体(DRD2)の阻害剤であるが、HAVが増殖複製する肝細胞ではその発現が認められないため、DRD2を介さずに作用している可能性が考えられた。ロキサピン耐性ウイルス変異の解析からHAV 2Cタンパク質に直接作用する事が示唆された。またロキサピンの抗HAV効果は培養細胞のみならず感染マウスモデルでも認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
A型肝炎は、高齢者では症状や肝障害が重い傾向があり、劇症化し死亡する事もある。先進国でも数百人から数万人規模のアウトブレイクが生じ、死亡例も報告されており、感染や発症を制御する必要性が高まっているが、ワクチンはあるものの、特異的治療薬がない。本研究成果は2Cタンパク質が治療薬のターゲットとなる事が明らかとなり、A型肝炎治療薬開発において有用な知見となることが期待される。
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