研究課題/領域番号 |
20K08861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
坂上 史佳 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座助教 (70771799)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ムコ多糖症 / IDS / 既存薬ライブラリー / ドラッグリポジショニング / イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS) / 精神発達遅滞 / 小胞体関連分解(ERAD) |
研究開始時の研究の概要 |
ムコ多糖症患者の大半はリソソーム内の加水分解酵素(IDS)遺伝子変異を原因とする。身体機能低下や精神発達遅滞を伴う難病であるが、現状では骨髄移植もしくは酵素補充療法による対症療法のみが治療の選択肢である。これらの治療により、代謝や歩行の改善はある程度認められるものの、補充された酵素は脳血液関門を通過できないため精神発達遅滞に対する効果は無い。このような現状から、酵素補充療法に代わる新規治療薬が求められている。 本研究では多検体イメージングシステムを用いて、IDSの細胞内局在を指標に、低分子化合物の既存薬ライブラリーから中枢神経系へのデリバリーが可能なムコ多糖症治療薬を見出すことを目指す。
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研究実績の概要 |
初年度半年間(4月から9月)の本研究課題の結果として以下のような成果を得た。中枢神経系へのデリバリーが可能なムコ多糖症新規治療薬を見出すため、既存薬ライブラリーを用いたスクリーニングを行った。ヒト神経芽細胞腫由来のSK-N-SH細胞から樹立したA85T変異型IDS安定発現細胞株を用いて、リソソーム酵素iduronate-2-sulfatase(IDS)がリソソームマーカーLamp2と共局在する割合(以下「共局在率」)を多検体イメージングシステムにより解析・定量した。A85T変異型IDSの共局在率を0%、野生型IDSの共局在率を100%として、270種の既存薬添加後のA85T変異型IDS発現細胞株における共局在率変化を算出した。その結果、25%以上の共局在率を示す薬剤を5種( 共局在率の高い順に薬剤A, B, C, D, Eとする)見出した。このうち最も効果の大きい薬剤Aは、血液脳関門透過性は低いものの共局在率が94%を示し、野生型IDSの共局在率に匹敵する効果が認められたことから、血液脳関門透過性の低さを補って中枢神経系へ効果を示す可能性が考えられる。また、残りの薬剤B~Eは全て血液脳関門透過性を示す薬剤であった。その中で薬剤B(共局在率:39%)と薬剤E(共局在率:25%)は神経細胞をターゲットとした既存薬であることから中枢神経系への充分なデリバリー効率が期待でき、精神発達遅滞の改善効果を示すことが期待できる。薬剤C(共局在率:37%)と薬剤D(共局在率:30%)は神経疾患の治療薬として開発された薬剤ではないが、高い血液脳関門透過性を示す薬剤でありドラッグリポジショニングが可能な候補薬剤として興味深い。本研究課題で見出された5種の薬剤はモデル動物を用いたin vivoスクリーニングを実施する候補化合物として有望であり、将来的にムコ多糖症の新規治療薬となる可能性がある。
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