研究課題/領域番号 |
20K08869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (10232711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 脂肪肝 / ゲノムワイド関連解析 / 新規関連遺伝子座 / mTORC1 / 腸内細菌叢 / HLA / 非アルコール性脂肪肝 / メタボリック症候群 / ゲノムコホート / 分子標的治療 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は、メタボリック症候群の肝臓病変として捉えられ、世界的な肥満人口の増加と共に有病率が上昇しており、本邦においても同様の傾向が観察されている。しかし、日本人NAFLDの中には、BMI 25未満でも脂肪肝と診断される、いわゆるlean-NAFLDが男女ともかなりの割合で含まれていたため、ゲノムワイド関連解析を実施した。見出したNAFLD関連新規遺伝子座の遺伝的ならびに機能的検証を進め、遺伝子産物に対するリガンドの探索や機能阻害性抗体の開発を行うことによって、新たなNAFLD治療戦略を立てるための基盤を見出す。
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研究成果の概要 |
非肥満非アルコール性脂肪肝(non-obese NAFLD)のゲノムワイド関連解析によって新たにノミネートした13番染色体の新規候補遺伝子領域は、NAFLD全体とも関連することを明らかにした。関連する領域は、GPC6遺伝子Intron 6にマップされ、周辺4遺伝子の調節領域として機能している可能性が示唆され、そのうちGPR180遺伝子は肝臓脂肪蓄積とともに血清脂質濃度を制御することがノックアウトマウスによって明らかになった。パスウェイ解析によって、GPR180の欠損はmTORC1シグナルを負に制御し、その結果、SREBP1,2の活性化を抑制していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NAFLDの治療は、通常、最大のリスクファクターである肥満に対して体重管理が先ず行われ、それに繋がる食事療法と運動療法が推奨されている。しかし、肥満もインスリン抵抗性もないlean-NAFLDの治療は、その必要性を含め検討不十分であった。本研究は、ゲノムワイド関連解析を用いた探索から、mTORの関わる複雑なシグナル経路のうちmTORC1経路を選択的に調節することによって脂肪肝を軽減させる新たなターゲット分子を提示できたと考えられる。選択性の低いmTORC阻害薬rapamycinに代わる、新たな薬剤開発に向けて、GPR180阻害薬は重要な候補になる可能性がある。
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