研究課題/領域番号 |
20K08884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
菅原 健二 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70645217)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | メトホルミン / キレート作用 / 糖尿病 / ミトコンドリア機能 / 金属 / キレート |
研究開始時の研究の概要 |
メトホルミンは世界で最も多く使用されている糖尿病治療薬であるが、血糖改善効果の直接的なメカニズムは明らかになっていない。これまで代表者は、臨床研究や動物実験においてメトホルミン投与が鉄欠乏状態を惹起するという現象を見出し、さらに、メトホルミンが鉄とキレートを形成する可能性を示唆する結果を得ている。本研究では、鉄に対するキレート作用を介したメトホルミンの血糖改善メカニズムを明らかにし、新たな創薬研究への基盤とすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究はメトホルミンのキレート作用という化学的特性が、同薬剤の薬理作用の発現に関与するか否かについて明らかにすることを目的とした。 培養肝細胞HepG2細胞を用いて、細胞透過性の銅キレート剤であるテトラチオモリブデン酸アンモニウム(TM)によるAMPKのリン酸化能を検証した結果、0.01 mM, 0.1 mMにおいてメトホルミンと同様にAMPKのリン酸化効果を認めた。さらに、肥満糖尿病モデルマウスKK-Ayに対してTMを4週間飲水投与したところ、血糖改善作用および体重減量作用を示唆する結果が得られた。以上より、メトホルミンによる薬理作用の少なくとも一部は銅キレート作用を介することが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
メトホルミンは60年以上に亘って使用されている薬剤であるが、その詳細な作用メカニズムは不明な点が多い。本研究でメトホルミンの新たな作用機序が明らかになれば、糖尿病診療における臨床上の大きな進歩となる。また、本成果は生体の金属動態の破綻が糖尿病病態に寄与する可能性を示すことになるため、新たな糖尿病病態の解明に大きく貢献する。さらに、本成果は生体内の金属自体が糖尿病治療の標的となることを示すことから、「キレート能を有する新たな糖尿病治療薬の開発」に繋がる可能性もあり、本研究の意義と波及効果は大きい。
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