研究課題/領域番号 |
20K08893
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
薄井 勲 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50377272)
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研究分担者 |
若尾 宏 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10280950)
藤坂 志帆 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30512082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 自然免疫型T細胞 / MAIT細胞 / 脂肪組織 / 褐色化 / 耐糖能異常 / 脂肪肝 / 肝脂肪合成 / 脂肪組織褐色化 / 脂肪細胞 / 褐色脂肪 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
マウスが寒冷や交感神経刺激に暴露されると、白色脂肪組織の一部分が褐色細胞様に変化する。その結果、熱産生が亢進し体重が減少、また糖代謝が改善する。自然免疫型T細胞であるMAIT細胞はヒトで最も豊富なT細胞集団であるが、マウスでは数が少なく、脂肪組織の褐色化におけるMAIT細胞の役割は不明であった。本研究計画では、我々が作製したMAIT細胞を豊富に持つマウスを用いて、MAIT細胞の活性化が白色脂肪の褐色化を通じて抗肥満作用をもたらすのか、またインスリン抵抗性を解除させるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
自然免疫型T細胞であるMAIT細胞が白色脂肪組織の褐色化に与える影響について検討した。MAIT細胞を豊富に持つMAITマウスは対照マウスと比べ、通常食飼育と高脂肪食飼育時の皮下脂肪組織重量、脂肪細胞の形態、褐色化関連遺伝子、褐色化関連細胞、および耐糖能に有意差を認めなかった。また、MAIT細胞のT細胞受容体(TCR)特異的リガンドも解析結果に影響を与えなかった。以上より、MAIT細胞数の増加とそのTCRの活性化は脂肪組織の褐色化に影響を与えないと考えた。一方、MAITマウスは、高脂肪食飼育時、肝臓の脂肪合成と脂肪蓄積、血中中性脂肪と遊離脂肪酸値低下という特徴を有していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MAIT細胞と同じ自然免疫型T細胞であるnatural killer T細胞やγδ型T細胞は白色脂肪の褐色化促進能を持つと報告されていた。本研究結果よりMAIT細胞が褐色化に関与していないと考えられたことから、自然免疫型T細胞には脂肪組織の機能制御における役割分担があることが示唆された。また、高脂肪食飼育したMAITマウスでは、肝臓における脂肪合成と脂肪肝が軽減し、血中中性脂肪と遊離脂肪酸が低下していることを見出した。この点は本研究計画の申請時には予想していなかったが、MAIT細胞の代謝制御における新たな機能であると考えられた。更に検討を進める予定である。
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