研究課題/領域番号 |
20K08914
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 和寿 自治医科大学, 医学部, 講師 (60724416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ILDR2 / 脂肪肝 / リン脂質 / 肝線維化 / 肝硬変 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪肝は2型糖尿病の重要なリスク因子に留まらず、メタボリックシンドロームと相まった脂肪肝炎からの肝線維化は動脈硬化疾患を増悪させるため、有効な治療法の開発が強く求められている。我々は肥満マウスを用いたポジショナルクローニング法により新規糖尿病感受性遺伝子Ildr2を同定し、ILDR2が脂肪肝発症に重要な因子であることを見出した。本研究では、ILDR2の基礎的な機能の解明を手掛かりに、脂肪肝からの肝線維化進行機序を解明する。
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研究成果の概要 |
以前、我々は新規糖尿病感受性遺伝子Ildr2を同定し、ILDR2が脂肪肝発症に重要な因子であることを見出した。この分子機序解明のため、ILDR2結合因子を探索したところ、結合分子としてリン脂質脂肪酸転移酵素(MBOAT7)を同定した。MBOAT7はホスファチジルイノシトール(PI)のアシル転移酵素として知られている。そこで、ILDR2が脂肪肝におけるPIの質的変化に関与するかを肝臓特異的ILDR2欠損マウス(LKO-ILDR2)及びILDR2過剰発現マウス(OX-ILDR2)を作製し解析した。その結果、LKO-ILDR2の肝臓中PIは有意に増加、OX-ILDR2の肝臓中PIは有意に減少した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪肝は2型糖尿病の重要なリスク因子に留まらず、メタボリックシンドロームと相まった脂肪肝炎からの肝線維化は動脈硬化疾患を増悪させるため、有効な治療法の開発が強く求められている。我々はILDR2の局在や結合タンパク質の同定、さらにノックアウトマウスを解析することにより個体レベルでのILDR2の意義と脂肪肝における影響を明らかにした。この研究過程で、ILDR2が肝臓中リン脂質の質的変化に関与し、脂肪肝発症や肝線維化の進展に関与することを示した。脂肪肝の有効な治療法はないため、ILDR2の機能解明は脂肪肝の治療法開発の分子基盤になると期待される。
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