研究課題/領域番号 |
20K08917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西田 友哉 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10581449)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | オートファジー / 膵β細胞 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / レポーターマウス / オートファジーフラックス / トランスクリプトーム / 細胞内Ca / 糖代謝異常 |
研究開始時の研究の概要 |
糖代謝制御臓器におけるオートファジーフラックスの調節は血糖値の制御に大きな影響を与えることが知られているが、その正確な観察は困難であり、特に生体内では適切な評価が行われていなかった。本研究では、独自に作成したpHluorin-LC3-mCherryレポーターマウスを用いて、①糖代謝における主要調節臓器のオートファジーフラックスの適切な評価方法を確立し、さらに②耐糖能異常下でのオートファジーフラックスの変化とその病態における意義を解明する、ことを目的とする。研究を通じたオートファジーフラックスの病態生理学的意義の解明は、その制御を介した新規の糖尿病治療への道を切り開くものと期待される。
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研究成果の概要 |
オートファジーは、膵臓β細胞の細胞恒常性の維持に不可欠な役割を担っている。本研究では、pHluorin-LC3-mCherryレポーターを発現するトランスジェニックマウスを作製し糖代謝関連臓器でのオートファジーフラックスを検討した。膵島のオートファジーフラックスは飢餓後に増加し、短期間の再給餌でフラックスが抑制されるには、他のインスリン標的臓器よりも長期間の再飢餓を必要とした。さらに、インスリン抵抗性下では、膵臓β細胞におけるオートファジーフラックスの不均一性が顕在化し、グルコース応答性細胞内Ca流入や遺伝子発現がフラックスに高低により異なることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、全身のオートファジーフラックスを評価できる新しいレポーターマウスを開発した。飢餓やインスリン抵抗性増大下といった糖尿病に関係する病態生理学的な状況において、このマウスを用いた解析により、生体のオートファジーフラックスがどのように変化し、それと関連して機能や遺伝子発現にどのような違いが見出されるかを明らかにした点で重要な意義を持つ研究である。特に、インスリン抵抗性下での膵β細胞オートファジーフラックスの不均一性の詳細な解析結果の報告は新しい知見であり、そのメカニズムを明らかにすることによって、糖尿病の発症や進展の予防に結びつく新しい治療法が開拓につながると考えている。
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