研究課題/領域番号 |
20K08922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田中 智子 福岡大学, 医学部, 講師 (10380528)
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研究分担者 |
大江 賢治 福岡大学, 薬学部, 教授 (30419527)
田邉 真紀人 福岡大学, 医学部, 准教授 (60707305)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 環状RNA / 副腎 / ステロイドホルモン / NR5A1 / 副腎腫瘍 / RNAスプライシング / 副腎皮質 / 小胞体ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、環状構造RNAの存在が明らかにされ、癌細胞における機能解析が進められている。本課題研究では、正常副腎組織と副腎腫瘍組織とで、環状RNAの発現にどのような違いがあるのか、各組織から環状RNAを調整して網羅的解析を行う。次に、環状RNAの機発現抑制実験を行い、ステロイド産生や細胞増殖を解析し、ステロイド産生細胞における環状RNAの意義を明らかにする。また、我々が見出した正常副腎皮質における小胞体ストレス誘導性の環状RNAがどのように作られるのか、RNA切断酵素やRNA連結酵素の発現阻害実験を行い、分子機序を解明する。その破綻によってステロイド産生の異常や増殖亢進がおきるのかを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
近年、次世代シーケンサーによる配列解析から、直鎖状RNAだけでなく環状構造をもつ機能性RNAの存在が明らかにされている。核内受容体NR5A1 (別名Ad4BP/SF-1) は、ステロイドホルモン産生の主要な調節因子であり、副腎皮質癌においては、NR5A1の発現量が多いほど、予後が悪い。私達は副腎皮質癌細胞株では検出されず、正常副腎皮質にのみ存在するNR5A1環状RNAを見出した。NR5A1環状RNAが生じる過程や、機能は不明である。本研究では、ステロイド産生調節における環状RNAの意義についてNR5A1に着目して解析し、機能性環状RNAが制御する副腎ステロイド産生メカニズム解明に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
副腎皮質癌は希少な癌で難治性である。本邦における副腎偶発腫瘍3,678例中1.4%にみられ、5年生存率は35-50%と予後不良である 副腎皮質癌においては、NR5A1の発現量が多いほど、予後が悪い とされる。本研究の結果、環状RNAはNR5A1の発現調節に関与しており、副腎腫瘍と正常副腎では、NR5A1環状RNAに違いがあることが明らかになった。NR5A1環状RNAと副腎腫瘍の病態像について解析を進めることで副腎腫瘍の治療法の開発や機序の解明に役立つ。
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