研究課題/領域番号 |
20K08928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
齋藤 裕 徳島大学, 病院, 講師 (50548675)
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研究分担者 |
池本 哲也 徳島大学, 病院, 特任教授 (20398019)
山田 眞一郎 徳島大学, 病院, 特任助教 (30579884)
森根 裕二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (60398021)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LED / 脂肪由来間葉系幹細胞 / 肝細胞様細胞 / 赤色LED / アンモニア代謝 / 間葉系肝細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪由来幹細胞ADSCをCell sourceとした肝細胞様細胞HLCの分化誘導に着目した。ADSCのみならずiPS細胞含めて様々な分化誘導方法が試みられている中、機能面で肝機能を上回りすべての機能を保持する幹細胞由来肝細胞はいまだに作製できていない。本研究の先行実験として、ADSCからInsulin producing cell (IPC)への分化誘導において、赤色LED照射により内胚葉への胚葉転換が促進されたとのデータを得ており、ADSCからHLCへの分化誘導において、赤色LED光照射により胚葉転換のみならず、肝細胞成熟にも促進的に作用し、より機能的なsuper HLCの創出を目指す。
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研究成果の概要 |
形態学的には赤色LED非照射群と比較して著変なく、肝細胞成熟遺伝子CPS1の発現がLED照射により有意に上昇していたが、肝細胞機能において有意差は認めなかった。よって、赤色LEDから緑色LEDに照射波長を変更し、同実験を施行。 HLCのアンモニア代謝が非照射群と比較して改善しており、さらに、CYP3A4活性も良好であった。そのメカニズムとして、LED照射群では光受容体であるOPN3が発現上昇していることを免疫組織学的にも評価し、ミトコンドリア機能に関与するPGC1αのmRNA発現が上昇し、OPN3のGタンパク質共役受容体を介したミトコンドリア機能上昇が肝細胞機能を向上させている可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
幹細胞源から分化誘導方法が試みられている中、機能面で肝機能を上回りすべての機能を保持するHLCはいまだに作製できていない。肝機能を発揮するためには肝細胞が肝特異的遺伝子発現を保持するだけでなく、細胞内小器官の成熟化、肝臓の非実質細胞群との相互作用による機能制御も必要と思われる。 これまで幹細胞からHLC分化を加速する方策としては、遺伝子発現の調整あるいは化学物質の添加などにより、肝発生に準じた至適化学的環境をいかに再現することに主眼が置かれてきた。本研究においては“光LED”という遺伝子的改変を行わない、極めて安全な媒体が、既存の幹細胞研究の概念を大きく塗り替えるブレイクスルーとなりえる。
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