研究課題/領域番号 |
20K08932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
銕尾 智幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (10817414)
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研究分担者 |
松本 桂太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (80404268)
永安 武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80284686)
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
土谷 智史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員教授 (30437884)
高木 克典 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90635856)
田浦 康明 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60437887)
町野 隆介 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (90728081)
谷口 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20773758)
森山 正章 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (90815953)
内田 史武 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 研究協力員 (00866270)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | バイオ3Dプリンター / iPS細胞 / 臓器再生 / Scaffold free |
研究開始時の研究の概要 |
人工気管や食道は研究段階であり、その多くがスキャフォールドという細胞を播種する足場を使用しているが、感染や生体適合性の低下、経時的な劣化変性などの問題も有するため、我々はバイオ3Dプリンター”Regenova”によるスキャフォールドを用いない三次元構造体作成の研究を行ってきた。 早期の血管ネットワークの構築のために品質の高い多くの血管内皮細胞が必要となるが、自己血管内皮細胞の採取は極めて困難である。また三次元臓器における血管の構築・生着までは、幹細胞の供給が重要である。iPS細胞の幹細胞として、血管内皮細胞ソースとしての三次元臓器内での有用性を証明し、人工臓器の臨床応用への足がかりとしたい。
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研究実績の概要 |
人工気管や食道は研究段階であり、その多くがスキャフォールドという細胞を播種する足場を使用しているが、感染や生体適合性の低下、経時的な劣化変性などの問題も有するため、我々はバイオ3Dプリンター”Regenova”によるスキャフォールドを用いない三次元構造体作成の研究を行ってきた。早期の血管ネットワークの構築のために品質の高い多くの血管内皮細胞が必要となるが、自己血管内皮細胞の採取は極めて困難である。また三次元臓器における血管の構築・生着までは、幹細胞の供給が重要である。iPS細胞の幹細胞として、血管内皮細胞ソースとしての三次元臓器内での有用性を証明し、人工臓器の臨床応用への足がか りとしたく研究を進めている。そのために、 1.人工臓器内での臍帯静脈内皮細胞とiPS由来血管内皮細胞の有効性の比較ー臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)およびiPS 由来血管内皮細胞を用いて、バイオ3Dプリンターで人工気管および人工食道構造体を作製し、それぞれの構造体の機能を比較検討し、iPS細胞の有用性を明らかにする。 2.iPS細胞の臓器内での細胞分化と構造体に与える影響の検証ー人工気管、食道において、iPS 細胞を骨髄幹細胞の代替として使用し、3D組織内でのiPS 細胞の分化、移植時組織適合の評価、大口径臓器での評価を行い、より臨床へ向けたiPS 細胞の役割と重要性について明らかにする。 以上を目標に研究を進めてきた。現在、iPS細胞を含めた種々の細胞を組み合わせ、気管様・食道様の3D構造体を作成し、ラットへの移植を試みているところである。現在のところその評価には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究がやや遅れている理由としては、まず、細胞を使用するという実験の特性上、やや性質の安定性に欠け、細胞凝集能に微妙な違いが出てくるという点である。スキャフォールドを使用しないため、細胞自体の凝集能に構造体の強度が大きく左右され、構造体の作成自体ができないこともしばしばであった。気管や食道という体腔内臓器を作成目標としているため、ラットへの移植手術も困難を極め、移植自体の成功率の底上げに予想以上に時間を要した点もやや研究が遅れている原因としてあげられる。 さらにCOVID19蔓延の影響下で培養液等の必要物品の供給が安定せず、研究の規模自体を縮小せざるを得なかったことも研究に遅れが生じている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
培養液や継代のタイミングなど、細胞培養の方法を細かく検討し、さらに安定した結果が得られるように努力するとともに、試薬等の供給が不安定でもある程度研究を進められるように、効率を上げる方策を検討している。 また、移植手術手技のさらなる向上を目指して、研鑽していく所存である。
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