研究課題/領域番号 |
20K08948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 成美 東北大学, 大学病院, 助教 (70547413)
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研究分担者 |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00292318)
古本 祥三 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00375198)
鈴木 貴 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10261629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 乳癌 / LAT1 / アミノ酸代謝 / ミトコンドリアダイナミクス / 食道癌 / 内分泌療法耐性 / 化学療法耐性 / ミトコンドリア代謝 / メタボローム解析 / 内分泌療法 / 化学療法 / 薬剤耐性 / アミノ酸トランスポーター |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞代謝は糖代謝が中心を担うとされるが、術前化学療法により糖代謝が消失した症例であってもその半数に腫瘍が残存していることから、癌細胞が生存のために代替となる代謝経路を利用している可能性がある。我々は、乳腺組織を用いたメタボローム解析にてて多くのアミノ酸濃度が上昇していることを明らかにし、さらにアミノ酸トランスポーター:LAT1の乳発現が薬剤抵抗性と相関することも発見した。これは、LAT1を介したアミノ酸の供給が乳癌の生存と薬剤反応特性を規定する可能性を示唆する。本研究では、LAT1依存性アミノ酸代謝と化学療法との関連性を解明することで、その代謝変化が薬剤感受性におよぼす影響を明らかにする。
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研究実績の概要 |
これまで我々は、乳癌組織においてはFDG-PETに応用される糖代謝のみならず、糖代謝に依存しない癌特異的代謝経路が亢進されていることを明らかにし、代謝リプログラミングと薬剤抵抗性について研究を行ってきた 。なかでも、アミノ酸代謝とその輸送に関わるトランスポーター(L-type amino acid transporter, LAT1)の発現は、他の癌種でも予後不良因子として報告されているため、LAT1を中心に研究を進めた。 2023年度は、乳癌と同様に術前化学療法がひろく行われている食道癌におけるLAT発現と薬剤耐性について検討を行った。免疫組織学的検討では、LAT1高発現群において術前化学療法に対する組織学的治療効果は有意に乏しく、長期予後も不良であった。その他臨床病理学的因子とも相関が見られた。また、in vitroでの実験も行い、食道扁平上皮癌細胞株(KYSE150, KYSE220, KYSE520, TE5)におけるLAT1の発現をSimple westernにて確認した。さらに、cisplatinへの感受性が最も低い、KYSE520ではLAT1阻害薬に高い感受性を示すことがわかった。 上記に加え、酸化的リン酸化を中心としたエネルギー代謝を司るミトコンドリアの機能にも着目し、にゅ癌におけるミトコンドリアダイナミクスと薬剤耐性との関連性についても検討を行った。その結果、トリプルネガティブ乳癌においては、DRP1を介したミトコンドリア分裂とミトファジーによるミトコンドリア代謝の変化が薬剤耐性に関わることが明らかとなり、として論文(「Mitochondrial dynamics as a novel treatment strategy for triple-negative breast cancer」,Cancer Med)として発表した。
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