研究課題/領域番号 |
20K08953
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 研一 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10334905)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 甲状腺未分化癌 / 稀少癌 / 新規治療戦略 / 分子標的薬 / 薬剤耐性機構 / EpCAM / 甲状腺癌 / 未分化癌 / 治療標的分子の探索 / 発症機序 |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺未分化癌は極めて予後不良な稀少癌であるため、新規治療の開発が進んでいない。一方、緩徐に進行する分化癌が「未分化転化」して発症してくるという臨床経過が知られているにも関わらず、未だその分子生物学的機序の詳細も明らかになっていない。そこで、甲状腺癌の手術検体を用い、次世代シークエンサーによる遺伝子変異解析とマイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を組み合わせて「未分化転化」の過程で起こっている遺伝子変異と発現が変動する遺伝子群を解析し、得られた情報をもとに、in vitroの実験系で未分化転化の分子生物学的機序を解析し、難治性である甲状腺未分化癌の新規治療戦略の開発を目ざす。
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研究成果の概要 |
甲状腺未分化癌に対する新規治療戦略を開発するために、多標的チロシンキナーゼ阻害薬であるレンバチニブの、未分化癌細胞株FROに対する感受性を解析し、以下の結果を得た。(1)レンバチニブ投与により、FRO細胞のEGFRリン酸化が活性化する。(2)レンバチニブとEGFR阻害剤の併用は、in vitroでのFRO細胞の増殖を相乗的に抑制する。(3)FRO細胞移植マウスモデルで、レンバチニブとEGFR阻害剤の併用はアポトーシスを有意に増加させ、レンバチニブ単剤投与に比べ、有意に腫瘍増殖を抑制する。以上から、甲状腺未分化癌に対し、レンバチニブとEGFR阻害剤の併用が、新規治療戦略になる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、極めて予後不良な難治性悪性腫瘍である甲状腺未分化癌が、本邦で承認されている分子標的薬に対し耐性を示す機序の一部を解明した。既存の分子標的薬を用いた方法で耐性の克服が一部可能であり、臨床応用の可能性が期待できる。難治性の稀少癌である未分化癌に対する新規治療戦略を創出できたことは、意義が大きいと考えられる。
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