研究課題/領域番号 |
20K08954
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
二村 学 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10415515)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Mieap / p53 / ミトコンドリア / がん代謝 / Caspase / in silico search / Tumor suppressor / Warburg効果 / ROS / 乳癌・消化器癌 / Mitochondria quality / Breast cancer |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞のミトコンドリアはATP産性能力が低下し活性酸素を多量に発生します。Mieapは、こうした不良ミトコンドリアを排除・修復しATP産性能を改善し活性酸素発生も抑止します。本研究では、がん細胞の不良ミトコンドリアに由来する活性酸素を標的とした、革新的ながん治療法の開発を目的として以下の研究計画を立てました。(1)Mieap遺伝子を導入したがん細胞の中でおこる代謝産物や遺伝子発現の変化を調べ、抗ROS療法に関与する分子を同定し治療法開発につなげます。(2)がんミトコンドリアの損傷程度を指標にして、がん悪性度を診断するための新たな評価方法を確立することを目指した研究を行います。
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研究成果の概要 |
がんのミトコンドリアは、ATP産性能が低下し活性酸素種(ROS)を多量に発生する。p53の標的遺伝子である、Mieapはこうした不良ミトコンドリアを排除・修復することで、ミトコンドリアの品質管理を担っている。我々は、大腸がんや乳がんでMieapの機能が著しく喪失していることを報告してきたが、胃がんや食道がんでもMieap機能が喪失していた。さらに、ビックデータを用いた解析でも、Mieap機能の低下が、乳がん患者の予後を増悪させることも判明した。このように、Mieapはヒトがんにおいてがん抑制機能をもつ極めて重要な分子と考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちの研究はがん抑制遺伝子p53の研究に始まり、がんのミトコンドリア、いわゆるがん代謝の研究へとシフトしています。遺伝子の異常はタンパク質の異常、ひいては細胞の機能異常につながっていきます。がんにおいて、遺伝子異常のみならず代謝の異常が、がんの性質や悪性度を決めているといえます。Mieapの機能はミトコンドリアの品質管理をすることで、細胞の悪性化を阻止していますが、この機能がなくなると悪性度が増し、患者さんの生存率にまで影響しているという知見が得られました。こうした重要な因子をコントロールすることが、これからのがん征圧、がん治療の道を開くことになるでしょう。
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