研究課題/領域番号 |
20K08958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉丸 哲郎 徳島大学, 先端酵素学研究所, 准教授 (80424729)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | HER2陽性乳がん / BIG3-PHB2複合体 / トラスツズマブ耐性 / ペプチド創薬 / ステープル化ペプチド / がん抑制因子 / HER2陽性乳癌 / 薬剤耐性 / 足場タンパク質 / トラスツズマブ / 乳がん / ミトコンドリア / 活性酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、HER2陽性乳がん細胞のトラスツズマブ耐性獲得におけるBIG3の機能と役割を明らかにするため、BIG3標的阻害ペプチドstERAPによりトラスツズマブ耐性関連シグナルが破綻することを想定して、耐性機序に基づいた難治性乳がんに対する新たな治療戦略を提供する。 足場タンパク質BIG3は、PP1Cαの調節サブユニットとして機能し、基質タンパク質の腫瘍抑制因子PHB2を脱リン酸化して抑制活性を喪失させる。一方、stERAPによりBIG3から遊離したPHB2が細胞ストレスに応じて多くの分子と結合することで多岐のがん関連シグナルなどを抑制する、すなわち細胞本来のブレーキ機能を活用した独創的な治療法である。
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研究成果の概要 |
がん特異的足場タンパク質BIG3による腫瘍抑制因子PHB2の抑制機能制御が、難治性のトラスツズマブ耐性獲得したHER2陽性乳がんの病態に寄与することを明らかにし、トラスツズマブ耐性細胞におけるBIG3-PHB2複合体が、感受性細胞とまったく異なり、細胞膜直下に局在し、トラスツズマブ耐性獲得に関与するHER2-EGFR二量体形成に寄与する可能性を示した。さらに、BIG3とPHB2の結合阻害は、BIG3を細胞膜から解離させてHER2-EGFR二量体形成の阻害を導き、トラスツズマブ耐性獲得に大きく関与することを示唆させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
BIG3-PHB2複合体が乳がんをはじめとするがん細胞に特異的に発現していることに起因しており、BIG3-PHB2複合体の標的ペプチドstERAPは正常組織にダメージを与えることなく、がん組織特異的に作用できるため、重篤な副作用を回避できる。さらに、このペプチドは長期持続薬効を示すことから、繰り返す再発や転移による治療困難な難治性乳がん患者に対する長期的に有効な治療法となり、身体的負担の軽減によるインパクトなど多大な社会的貢献は大きい。
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