研究課題/領域番号 |
20K08962
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
島 宏彰 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00404616)
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研究分担者 |
竹政 伊知朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50379252)
九冨 五郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10404625)
里見 蕗乃 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90563487)
和田 朝香 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (10830151)
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20301400)
廣橋 良彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30516901)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 乳癌 / リンパ節転移 / cytotoxic T lymphocyte / 免疫寛容 / cytotoxic T cell / 免疫関与う / リンパ球 / cytotoxic T-cell |
研究開始時の研究の概要 |
腋窩リンパ節転移陽性乳癌症例における「転移を含むリンパ節」と「転移を含まないリンパ節」を比較して細胞傷害活性を有するcytotoxic T-cellの有無と細胞傷害活性の低下の有無から免疫抑制の状態・程度を調べ、さらには機序について免疫チェックポイント、免疫疲弊の関与を調べる。実地臨床で用いられている免疫チェックポイント阻害剤の使用による治療効果と免疫抑制の解除との相関を解析する。
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研究実績の概要 |
本研究は、転移を来したリンパ節内のリンパ球が結果的に癌細胞を攻撃していない原因を解明することが目的である。 2014年1月から2018年12月にcN0原発性乳癌に対してセンチネルリンパ節生検を含む手術を実施し、結果的に転移陽性で腋窩郭清となった79例を集積し、転移を来 した乳癌症例で原発巣(P)と転移を伴うリンパ節(mLN)、転移を伴わないリンパ節(non-mLN)の3点がそろった100例を目標にプレパラートを準備する予定であった が、すでに複数回精査され検体がロストされるなどマテリアルとして準備できない場合があったため、目標には達していないものの40例集積となった。これらを 免疫染色し細胞数をカウントし分布の傾向を見たところ、Stroma内では、PよりmLNで細胞数が多くばらつきあり、Stroma内の脈管からリンパ球が流入してきてい る可能性が示唆された。また、intra-tumor内では、Pと比べmLNで細胞数が多くないため、腫瘍内に入り込むリンパ球は原発巣もリンパ節も変わらない可能性が 示唆された。CD8陽性率については、Pと比べmLNでStroma内では低くintra-tumor内では高いことから、分母に相当する上述のCell count in stroma of mLNで細 胞総数が多く、ばらつきがあることがStromaのCD8陽性率を低減させたと考えられた。TIA-1陽性率については、PもmLNも非常に低率であり、Stroma内もintra- tumor内も、活性化しているのは非常にわずかであることが示唆された。 以上よりリンパ節転移の中で癌に対して免疫学的に抗腫瘍効果が発揮されていない理由として、T細胞が癌特異的なcytotoxic T-cellに分化する前に抗腫瘍効果 が解除されている可能性が示唆されたことから、50例の集積を目標として、この結果をまとめ報告する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象症例の原発巣と転移を伴うリンパ節、転移を伴わないリンパ節、3者を集積している。現在のところ40症例と集積がまだ十分とはいえないためさらに進めて いく予定である。その理由は、プレパラート貸し出しのままになっていて戻っていない症例や複数の切り出しにより対象病変がなくなってしまった症例があった ことが挙げられる。また、免疫染色についても、ますます深刻となった人的負担のため作業が追いついていなかった。 目標症例には届いていないが、正規分布に基づいた解析をするために必要な50例は達成できそうであり、これを基に報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
50 症例を目標に準備して解析を行い学会発表および論文作成準備を行う。 今回の検討は、正規分布を基に解析を行うため、一般的に50例以上であれば形になると考える。 また、免疫染色の質が不良な部分があったので、再度別のもので染色しなおしを行っている。
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