研究課題/領域番号 |
20K08968
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 (2022) 慶應義塾大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
有馬 好美 藤田医科大学, がん医療研究センター, 客員准教授 (20309751)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | がんの不均一性 |
研究開始時の研究の概要 |
がんはゲノム変異やエピゲノム変化に基づく多様性を有し、同一腫瘍内には性質の異なるがん細胞が混在する。この腫瘍内不均一性は、がんの悪性化および治療抵抗性の重要な要因となることが知られている。これまでに作製した不均一ながん組織モデル(上皮性がん細胞と間葉系がん細胞から成る)を基盤として、免疫系の保たれたマウスモデルを構築し、不均一ながん組織を破壊した際に特異的に検出される腫瘍抗原を同定するとともに、免疫機構を活性化する新規治療のターゲットを明らかにする。本研究期間内に、不均一な乳がんの根治につながる免疫治療法の分子基盤および分子機構を解明する。
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研究成果の概要 |
腫瘍内不均一性を有する難治性乳がんの根治を目指した免疫治療法のための分子機構を解明するため、免疫系を含め腫瘍の微小環境を反映したマウスがんモデルを構築した。肺腺がんマウスモデルを基盤として、がん周辺微小環境によって肺がん細胞がsolid型からacinar型へと変化する現象が、がんの不均一性に寄与することを見出した。胆管がんマウスにおいて形成された腫瘍組織は、がん細胞の他に線維芽細胞や免疫細胞を含む間質に富んだ不均一な組織であり、ヒト胆管がんの病理組織像に酷似していた。また、不均一な腫瘍組織内において、がん細胞と線維芽細胞の相互作用が腫瘍免疫抑制に関わる可能性について考察し報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんはゲノム的にも形質的にも多様であり、異なる性質を持つ不均一ながん細胞の集団と、その微小環境で構成される複雑な組織である。がんの不均一性は、がんのさらなる悪性化を誘導し、治療を困難にする要因と考えられており、また、不均一な腫瘍組織内でのがん細胞と線維芽細胞の相互作用が腫瘍免疫抑制に関与すると考えられている。本研究によって構築したマウスモデルに形成された腫瘍組織は、ヒトの腫瘍組織の病理像と酷似しており、免疫系を含め腫瘍の微小環境を反映したよりヒトに近いマウスモデルである。このマウスモデルを基盤として、乳がんの根治につながる免疫治療法のための分子基盤および分子機構が解明できると考えられる。
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