研究課題/領域番号 |
20K08989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山口 博紀 自治医科大学, 医学部, 教授 (20376445)
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研究分担者 |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
佐田友 藍 自治医科大学, 医学部, 助教 (40528585)
伊藤 大知 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50447421)
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
宮戸 秀世 自治医科大学, 医学部, 講師 (90813163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腹膜播種 / 免疫チェックポイント阻害 / 抗PD-1抗体 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 骨髄由来抑制性細胞 / フィブロネクチン / 免疫チェックポイント / 抗PD-1抗体 / 腹腔内投与 / 免疫療法 / 薬物動態 |
研究開始時の研究の概要 |
消化器癌の腹膜播種患者の予後は依然として悪く免疫チェックポイント阻害薬の全身投与の効果も薄いことが指摘されている。そこで、本研究では免疫能を有するマウスの胃癌腹膜播種モデルを用いて、抗PD-1抗体、抗CTLA-4抗体を腹腔内投与し、その後の薬物動態と播種抑制効果について、全身投与した場合とどう違うか?を明らかにする。さらに、これらの抗体薬にリポソーム、ハイドロゲルによる薬剤修飾を加え、より高分子構造を持った抗体製剤を作成し、同様の方法で腹腔内投与後の薬物動態と治療効果の変化を検討する。これらの結果をまとめて、腹膜播種患者の予後向上につながる「腹腔内免疫療法」の可能性を探る。
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研究成果の概要 |
In vivo selection法にて作成した腹膜高転移株YTN16P2は、高い浸潤と足場非依存性増殖能を有し、1x106個を腹腔内投与後2~3週で多数の腹膜播種を来した。このモデルにて、抗PD-1抗体を全身または腹腔内に投与すると、腸間膜上の播種巣を共に半分程度に減少させた。また、播種巣内に浸潤したCD3(+) T細胞の数を有意に増加させ、Gr1(+) MDSCの数を減少させた。しかし、これらの現象に関して全身投与と腹腔内投与で有意差を認めなかった。PD-1抗体は投与経路にかかわらず腹腔内免疫学的微小環境を抗腫瘍的な方向に変化させ、胃癌の腹膜播種を部分的に抑制することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌腹膜播種に対する免疫チェックポイント阻害抗体の治療効果に関する基礎データは少ない。本研究で新たに作成したマウスモデルは様々な免疫療法の効果と作用機序を解明する上で大変有用である。今回、抗PD-1抗体は全身または腹腔内投与で腹膜播種を部分的に抑制することが確認された。その治療効果は予想と異なり投与経路によって顕著な差は認めなかったが、この抗体には腹膜播種巣内へのT細胞の浸潤を促進し、免疫抑制性のMDSCの浸潤を抑制する作用があり、これが播種抑制効果と関連する可能性があるという重要な新知見を得ることができた。
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