研究課題/領域番号 |
20K09023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 帝京大学 (2022) 国立研究開発法人国立がん研究センター (2020-2021) |
研究代表者 |
大畑 広和 帝京大学, 先端総合研究機構, 講師 (40570057)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | がん幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸がん組織において、「がん幹細胞」を頂点とした階層性が存在し、高い造腫瘍能や治療抵抗性を有するがん幹細胞が、がんの再発・転移に深く関与していると考えられている。それ故、大腸がんの治療抵抗性を克服する方法として、がん幹細胞を標的とした治療法の開発が強く望まれている。また、大腸がんには増殖型と静止型のがん幹細胞が存在し、抗がん剤に抵抗性を示すのは静止型のがん幹細胞であることが示唆されている。そこで、本研究はオートファジー活性化による静止期大腸がん幹細胞の維持機構を解明し、静止期大腸がん幹細胞を標的とした治療薬の開発に繋げることを目的とする。
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研究成果の概要 |
大腸がん組織には、高い造腫瘍能や治療抵抗性を有するがん幹細胞が存在し、がんの発生や再発、転移に深く関与していると考えられている。これまでに我々は、ヒト原発大腸がんより樹立した大腸がん幹細胞を用いた種々の研究により、大腸がん幹細胞には増殖型と静止型のがん幹細胞が存在し、後者の細胞が強い治療抵抗性を示すことを見出した。 本研究により、オートファジー活性の高い大腸がん幹細胞は静止期にあり、大腸がんに対する既存の抗がん剤処理に抵抗性を示すことを明らかにした。また、抗がん剤とオートファジー阻害剤の同時処理により、培養大腸がん幹細胞(オルガノイド)の増殖を相乗的に抑制することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸がんの根治を目指すためには、治療抵抗性を担う大腸がん細胞を特定し、その細胞を標的とした新しい治療法の開発が強く望まれている。本研究により、静止期にあるがん幹細胞がオートファジー活性が高く、抗がん剤に強い抵抗性を示すことが明らかとなった。また、大腸がんに対する既存の抗がん剤とオートファジー阻害剤の併用により、相乗的に大腸がん細胞の増殖を抑制することがわかった。以上の研究成果は、大腸がんの治療抵抗性の克服、ひいては大腸がんの根治への道標となると考えられる。
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