研究課題/領域番号 |
20K09024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
蒲池 浩文 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (60374237)
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研究分担者 |
深井 原 北海道大学, 医学研究院, 特任講師 (60374344)
折茂 達也 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (80711861)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 膵癌 / 癌幹細胞 / 化学放射線療法 / メトホルミン / NACRT / ゲムシタビン / エネルギー代謝 / 術前治療 / ジェムシタビン / 抗癌剤治療 / 放射線治療 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の中には癌幹細胞と呼ばれる次々に癌細胞を生み出していく細胞集団があり、抗がん剤、放射線治療に耐性があり通常の治療では制御が難しいと考えられている。一方、癌幹細胞には特徴的なエネルギー産生経路があり、これを制御することでエネルギーを枯渇させ細胞死を誘導する可能性が示されている。メトホルミンはその候補の一つであり、現在メトホルミンを用いた膵癌治療の臨床試験を行っており、臨床検体および癌細胞株を用いた解析を行う。本研究で癌幹細胞のエネルギー代謝を制御した抗がん剤、放射線治療の確立を目指した基礎研究を行う。
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研究成果の概要 |
メトホルミンは、幹細胞の一部に何らかの影響を与え、従来のゲムシタビンを使用した術前化学放射線療法と併用することによりその治療効果を高め、膵癌患者の予後を改善させた。また、EpCAMは膵癌幹細胞関連分子としてのみならず、その高発現が予後不良因子であるとともに、メトホルミン併用効果に対する治療感受性マーカーとなりうる可能性も示唆された。加えて、メトホルミンが膵癌細胞において増殖能、浸潤能を低下させ、その治療効果の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は本邦での癌死因4位の疾患で疾患数は年々増加し、5年生存率が数%、切除例ですら15%程度に過ぎず、予後不良である。局所進行膵癌に対するゲムシタビンを用いた術前化学放射線療法は切除例の平均生存期間39か月、5年生存率28%と予後を改善させるが、メトホルミン併用によりさらに予後改善につながる可能性が示唆された。また、膵癌幹細胞の関連分子であるEpCAMの高発現が、予後予測因子やメトホルミン併用療法の感受性因子として有用である可能性が示唆された。さらなる研究により、膵癌に対するテーラーメイド治療の進歩、治療成績の向上に寄与する可能性がある。
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