研究課題/領域番号 |
20K09029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 (2021-2023) 金沢大学 (2020) |
研究代表者 |
田島 秀浩 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (00436825)
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研究分担者 |
太田 哲生 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40194170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 敗血症 / 肝類洞閉塞症候群 / 血管外血小板凝集 / アポトーシス / バイオマーカー / 血小板凝集 / 血管外血小板凝集(EPA) / 好中球細胞外トラップ(NETs) / 肝類洞閉塞症候群(SOS) |
研究開始時の研究の概要 |
マウス肝SOSモデルを用いて敗血症状態での肝・肺における血小板の凝集(EPA)、肝類洞内皮障害および肝細胞の障害の程度について免疫組織学的に検索するとともに、 各種血小板関連因子の相関を検討し、敗血症時における臓器障害のバイオマーカーとして使用可能なものを選別する。また、抗血小板薬であるPDE3阻害剤や好中球エラスターゼ阻害剤を加えることでEPA、SOSおよび肺高血圧の予防・軽減が可能であるかを検討する。動物実験結果からバイオマーカーとして期待される血小板関連因子をSOS臨床症例において経時的に測定し、臨床応用の可能性について検討する。
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研究実績の概要 |
肝類洞閉塞症候群(SOS)は、門脈圧亢進症状や血中の血小板減少を伴い肝小葉の中心静脈域を主体とした肝障害を示す症候群である。SOSは肝移植後に起こるvenoocclusive disease (VOD)としてもよく知られている致死的で重篤な肝障害であるが、研究代表者らは敗血症における好中球と血小板減少、続発する肝障害においてもSOSとneutrophil extracellular trap system (NETs)形成が深く関与しており、中心静脈域(zone 3)を中心としたアポトーシスが誘導される事を明らかにしてきた。しかしながら、臨床上SOSを早期に診断し、治療評価を的確に行うためのバイオマーカーは未だ確立していない。本研究では敗血症によるSOSにおける血小板関連分子が病態の診断・評価を行うためのバイオマーカーになりうるかについて検討を行い、敗血症による不可逆的な臓器障害を未然に防ぐ治療介入について模索することを目的としている。 初年(令和2年)度はマウスSOSモデルを作成し、トロンボポイエチン(TPO)、von Willebrand factor (vWF)、ADAMTS13の血中、肝組織において測定し、血漿中のTPOおよびvWF濃度、ADAMTS13活性の低下がバイオマーカーとして使用可能であることが推察されている。また、肝細胞のアポトーシス誘導機序の研究として凝集血小板にFas ligandが発現すること、HepG2細胞株に凝集血小板を作用させるとアポトーシスが誘導される事が示された。コロナ禍のために学会発表がしにくい状況となっていたが、研究の要旨を令和2年度の第120回日本外科学会のシンポジウムにおいてオンライン発表した。 また、令和4年度は研究成果を論文化し、Molecular Medicine Reports誌に掲載された (DOI: 10.3892/mmr.2022.12717)。 昨年(令和5年)度はもう1編の論文がInternational Journal of Molecular Science誌に掲載された(https://doi.org/10.3390/ijms242216328)。 現在、もう1編の論文を投稿準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究はすでに終了しており、コロナ禍により滞っていた学会発表と論文作成を行っているため、研究期間を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿準備中の論文が1編あり、今後投稿する予定である。
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