研究課題/領域番号 |
20K09034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
並川 努 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (50363289)
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研究分担者 |
北川 博之 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 講師 (10403883)
小林 道也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30205489)
花崎 和弘 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (30240790)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腸音モニタリング / 腸蠕動 / 周術期 / 手術侵襲 / 音響センサー / リアルタイムモニター / 血糖値 / 経腸栄養 |
研究開始時の研究の概要 |
術後管理において食事摂取を再開する時期を正しく判断することが重要であり、そのためには腸蠕動運動をモニタリングすることが必要不可欠である。しかし、周術期の腸蠕動をリアルタイムで連続モニタリングするには至っていない。また血糖値や手術侵襲の病態生理に深く関わるサイトカイン血中濃度と腸蠕動運動との関係も全く分かっていない。 本研究では新規の腸蠕動運動モニタリング装置を用いて周術期の腸蠕動運動を腸音数で数値化することにより血糖値やサイトカイン血中濃度と腸蠕動運動との関係を解明すると共に、術後の経口摂取再開時期や経腸栄養開始時期の評価法を確立することで、術後成績の向上に貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
【目的】従来の聴診器を用いた短時間の腸音聴取では、腸蠕動運動の正確な評価が困難である。長時間連続腸音計測解析による腸蠕動運動モニタリングを用いて周術期における腸蠕動運動をモニタリングし、手術侵襲との関連について検討した。【対象と方法】腸音モニタリングシステムを用いた手術66症例について腸蠕動音数の解析をした。腸蠕動音モニタリングシステムは記録装置と音響センサーで構成されており、記録装置は4つのセンサーとマルチチャンネルデータロガーとパーソナルコンピューターから成る。2つの音響センサーは環境音を測定するために使用して腸音を計測することで1分間毎の腸音数をリアルタイムで表示することが可能である。【結果】胃癌手術12例、胃GIST手術2例、乳癌手術45例、甲状腺腫瘍手術3例、副甲状腺腫瘍手術4例で、年齢中央値は59.5歳(25-91歳)であった。手術室入室時から麻酔開始まで、麻酔開始から手術開始まで、手術中、手術後における腸蠕動音数はそれぞれ1.0/分、0.9/分、0.05/分、0.1/分であり、麻酔中および手術中の腸音数は麻酔前に比して徐々に低下していき、術後回復していく傾向を認めた。手術時間と術中腸音数、手術時間と術後腸音数、麻酔時間と術後腸音数は弱いが負の相関を認めた(r = -0.065, r = -0.137, r = -0.128)。腹腔内手術において手術室入室時から手術開始までの間の腸蠕動音数は1.4/分、手術後から病棟帰室までの間は2.5/分で、術後の腸音数と手術時間は中等度の負の相関を認めた(r = 0.382)が、術式間で腸音数の有意差は認められなかった。本システム施行に伴う有害事象は特に認めなかった。【結語】腸音モニタリングシステムを用いることで手術侵襲に伴い腸蠕動運動が低下していく量的変化を観察できた。本システムは、リアルタイムに腸蠕動運動を可視化・定量化することができる非侵襲的なモニターであり、手術中の管理において安全に導入可能であると思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腸音モニタリングシステムの臨床的有用性について国際誌に報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
腸音モニタリングシステムを用いることで手術侵襲に伴い腸蠕動運動が低下していく量的変化を観察できた。本システムは、リアルタイムに腸蠕動運動を可視化・定量化することができる非侵襲的なモニターであり、手術中の管理において安全に導入可能であると思われた。 今後、本システムの研究を発展させ、病態変化や手術合併症の発生予兆の検出技術を確立して緻密な周術期管理による侵襲からの早期回復、術後成績の向上を目指したい。
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