研究課題
基盤研究(C)
MSI-lowは独立した表現型であり、特徴的な免疫回避機構を有するのではないかと着想し、MSI-low食道胃接合部腺癌の大規模な網羅的解析、および既知のデータベースとの統合解析から、MSI-lowのゲノム変化の特徴と免疫回避機構を明らかにする。さらにニボルマブ治療症例を用いて、新規バイオマーカーの可能性を検討する。本研究により新たな発癌機構の解明、新規免疫治療薬・バイオマーカーの創出が期待される。
本研究での我々の検討から、MSI-LはMSSと比較して、腫瘍内CD8+細胞浸潤が多く、リンパ節転移頻度が少ない傾向にあり予後良好であり、これらの特徴はMSI-H腫瘍に類似していることが明らかとなった。このようにMSI-L腫瘍では、ホスト側の免疫反応が作動していることが示唆されるが、PD-1/PD-L1による腫瘍免疫回避は否定的であった。また、MSI-L腫瘍ではtruncating型のTP53変異を有しており、同様の傾向をTCGAデータセットでも認めたことから、MSI-L腫瘍の原因の可能性が示唆された。
食道胃接合部腺癌を題材に、MSI-L腫瘍の臨床病理学的および分子生物学的特徴を解析し、MSI-L腫瘍が免疫原性腫瘍であることを明らかにした。本研究の結果は、癌腫を問わず同様の特徴を示す可能性がある。さらに、MSI-L腫瘍に関する新たな免疫治療研究の開発と臨床応用への展開を促進する足掛かりとなるデータであるといえる。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 1件)
Journal of Cancer Research and Clinical Oncology
巻: 149 号: 3 ページ: 1273-1283
10.1007/s00432-022-03966-7
The Journal of Pathology
巻: 258 号: 3 ページ: 300-311
10.1002/path.6000
Journal of Cancer Metastasis and Treatment
巻: In press
10.20517/2394-4722.2021.113
Gastric Cancer
巻: 25 号: 2 ページ: 336-345
10.1007/s10120-021-01252-y
Esophagus
巻: 18 号: 3 ページ: 475-481
10.1007/s10388-021-00816-2
40022594451
Annals of Surgical Oncology
巻: 28 号: 12 ページ: 7990-7996
10.1245/s10434-021-09945-5
Surgery Today
巻: 52 号: 4 ページ: 660-667
10.1007/s00595-021-02397-0
International Journal of Cancer
巻: 148 号: 5 ページ: 1260-1275
10.1002/ijc.33322
Annals of Gastroenterological Surgery
巻: 5 号: 1 ページ: 46-59
10.1002/ags3.12406
巻: 27 号: 5 ページ: 1510-1517
10.1245/s10434-019-08124-x
Annals of Surgery
巻: 272 号: 6 ページ: 1035-1043
10.1097/sla.0000000000003287
巻: 50 号: 1 ページ: 12-20
10.1007/s00595-019-01878-7