研究課題/領域番号 |
20K09049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
久保木 知 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (50571410)
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研究分担者 |
高屋敷 吏 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (30456024)
酒井 望 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70436385)
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
鈴木 大亮 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (90422229)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | STAT3 / LGR5 / OLFM4 / GRIM19 / EMT / 癌幹細胞能 / Pin1 / 肝胆膵領域癌 / β-catenin / Wntシグナル / 肝内胆管癌 / 転写因子活性 / PD-L1 / Wnt-β-cateninシグナル / Cancer stemness |
研究開始時の研究の概要 |
悪性度が高く予後不良な肝胆膵領域癌において、LGR5を介したWnt-beta-cateninシグナル亢進が OLFM4-GRIM19シグナルを介してSTAT3活性を亢進させ得ることを臨床検体およびin vitroで証明するとともに、STAT3が腫瘍の増殖・浸潤・転移能を高め、cancer stem cell-like propertyを促進し、宿主の癌免疫を抑制することで腫瘍悪性度を高める機序の解明を目指す。更には同シグナル抑制が腫瘍進展を抑制し得るかをin vitroおよびin vivoで評価し、強力かつ安全で臨床応用可能な新規抗癌剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
肝内胆管癌において、LGR5発現はβ-catenin活性・OLFM4発現・STAT3活性と正の相関、GRIM19発現と負の相関を示し、独立した予後不良因子であった。細胞実験では、Wntシグナル抑制によりβ-catenin活性が低下し、OLFM4発現低下およびGRIM19発現増強を介してSTAT3活性が亢進した。同様の結果が肝細胞癌でも得られた。以上より、肝胆膵領域癌において、LGR5を介したWnt-β-cateninシグナルがOLFM4-GRIM19カスケードを介してSTAT3活性を亢進し、腫瘍悪性度を高めることが示され、LGR5は有用な予後予測因子および治療標的因子となりうる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
STAT3活性は肝胆膵領域癌を含む様々な癌腫でEMTや癌幹細胞能を亢進して腫瘍進展を促進する強力かつ主要な因子として知られるが、STAT3活性を根本的に抑制することは個体死を引き起こすため治療に結びついていない。LGR5はWnt-β-cateninシグナルを亢進させることでいくつかの癌種で腫瘍進展を促進することが示唆されており、それにはSTAT3活性調節が関与することが指摘されているが、肝胆膵領域癌におけるLGR5発現およびその意義に関する報告は今まで存在しなかった。今回、LGR5を介したSTAT3活性調節が腫瘍進展を制御できることを示したため、新たなSTAT3活性調節治療の発展が期待される。
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