研究課題/領域番号 |
20K09057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安井 隆晴 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60611283)
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研究分担者 |
木庭 遼 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10866776)
藤田 逸人 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40611281)
坂井 寛 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (80611665)
冨永 洋平 宮崎大学, 医学部, 講師 (90304823)
大内田 研宙 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20452708)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌自然発生マウス / 4色発現マウス / 膵癌 / 微小環境 / 微小転移 / 癌微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌の遠隔転移の成立には、癌細胞の原発巣からの離脱、血管内への侵入・生存、標的臓器到達後の生着・増殖といった複数の段階を経るとされるが、その機序は十分には解明されていない。本研究では、原発巣の膵癌細胞にrandomにmulticolorに発色する蛍光蛋白質遺伝子が導入されたマウスを用いて、腫瘍の極早期の微小転移から肉眼的転移に至る各段階で構成される細胞集団を追跡しその違いを評価する。また原発・転移巣それぞれにおいて、臓器特異的な転移関連因子や高転移能を有する細胞集団の探索を行う。これら微小転移巣の解析に基づき、膵癌の転移機序を周囲微小環境の役割も含めて解析し明らかにする。
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研究成果の概要 |
膵癌の予後不良の原因として肝転移がある。膵癌肝転移は悪性度が極めて高く、切除適応外で有効な治療法はない。膵癌細胞がランダムに蛍光発色するKPC Confettiマウスを用い極早期の転移機序を明らかにする。原発巣ではmulticolor癌細胞を同定したが転移巣では同定には至らなかった。そのため肝転移形成に関わる活性化肝星細胞に着目した転移解明を行った。先行研究にて同定した膵星細胞不活性化誘導候補薬剤を用いてスクリーニングを行った。複数の薬剤で肝星細胞におけるαSMAの発現低下や脂肪滴蓄積が見られ、肝星細胞の活性化抑制が確認できた。肝星細胞を不活性化することで肝転移形成を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微小転移モデルには細胞株の同所移植モデルが用いられてきたが、ヒト膵癌と相同性が低い問題があった。KPC Confettiマウスを用いることでヒト膵癌と病理学的類似性が高い腫瘍の極早期の微小転移を単細胞レベルで解析でき、微小転移に関わる細胞集団が同定できれば、癌細胞集団の特徴的や間質・免疫細胞の役割など今まで解明されていない分野への貢献も期待される。本研究により膵癌の微小転移のメカニズムが解明され新たな治療法の開発に至れば、難治性である膵癌の予後改善のみならず、他癌腫の転移メカニズム解析にも応用でき、学術的・社会的にも広範な波及効果が期待される為、癌研究分野において非常に意義が高いと考えられる。
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