研究課題/領域番号 |
20K09059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
東 孝暁 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (70594878)
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研究分担者 |
高森 啓史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (90363514)
林 洋光 熊本大学, 病院, 講師 (80625773)
山村 謙介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10816507)
中川 茂樹 熊本大学, 病院, 特任助教 (10594872)
宮田 辰徳 熊本大学, 病院, 特任助教 (80594887)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 癌微小環境 / 膵癌 / Hippo pathway / CAF / CXCL12-CXCR4 / signaling / スタチン / CXCL12-CXCR4 signaling / CXCL12-CXCR4 axis |
研究開始時の研究の概要 |
Hippo pathwayは膵癌の増殖・進展において重要な役割を担っていることが報告されている。腫瘍組織には、腫瘍血管や癌関連線維芽細胞(CAF)など様々な種類の細胞が存在し、癌微小環境が構成されている。癌微小環境は癌の増殖・進展に深く関わっており、新たな治療ターゲットとしても注目を集めている。膵癌は腫瘍内間質を多く含む特徴があり、癌微小環境はその悪性化に重要な役割を担っていると考えられており、本研究では膵癌におけるHippo pathwayおよび癌微小環境、特にCXCL12-CXCR4 axisの役割を明らかにし、癌の増殖、進展に関わる経路を制御する可能性のある薬剤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
腫瘍環境として高血糖状態に着眼し膵癌腫瘍進展の検討をした。 糖代謝異常は癌の悪性化に寄与することが知られている。本研究では高血糖状態はHippo pathway(YAP/TAZ)を介し、上皮間葉転換(EMT)を誘導し腫瘍進展に関与することが明らかになった。 In vitro、vivoにて高血糖状態はYAP/TAZ、GLUT1およびpAktの発現を介し、EMTが誘導されていた。同時に抗癌剤耐性能の獲得も確認された。YAP/TAZの発現抑制系では高血糖状態において同様の現象は確認されず、YAP/TAZが高血糖状態という腫瘍環境下におけるEMT誘導を介した腫瘍進展に大きな役割を果たしていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦において膵癌による死亡数は年々増加傾向にある。早期発見は非常に困難であり、発見時に約30%の症例は根治手術が不能な進行癌として診断される。また根治切除可能であっても、Stage I 膵癌の5年生存率は60%前後、全膵癌の5年相対生存率は約8%と非常に予後不良な疾患である。膵癌の予後を不良にしている要因の一つとして化学療法の奏効率の低さにある。癌幹細胞や腫瘍微小環境が化学療法感受性に影響を与えることは種々の癌種で広く知られている。本研究では膵癌におけるHippo pathwayおよび癌微小環境、特に糖代謝異常の役割を明らかにし、今後の膵癌治療戦略の一つとなりうる。
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