研究課題/領域番号 |
20K09075
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
加藤 真良 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (70402104)
|
研究分担者 |
中山 淳 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10221459)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 胃がん / A4GNT / αGlcNAc / 遺伝子発現制御 / 胃癌 / 胃型腺癌 / α4GnT / 遺伝子発現機構 |
研究開始時の研究の概要 |
α1,4-N-アセチルグルコサミン(αGlcNAc)は胃腺粘液に含まれる特殊な糖鎖構造であり、ピロリ菌感染防御に寄与する。近年我々は、αGlcNAcを合成する酵素はα4GnTが唯一であり、その欠損マウスでは胃分化型癌が自然発症することを明らにした。ヒト胃分化型癌ではαGlcNAcの発現が抑えられること、膵臓などの胃型腺癌で異所的に発現したαGlcNAcが、悪性度の進行に伴いその発現が抑えられることも分かってきた。本研究は、未だ不明であるα4GnTの発現機構に着目し、その遺伝子プロモーターや活性化因子、シグナル経路を調べることで、発癌機構の一端を明らかにすることを目的として行う。
|
研究成果の概要 |
がんに対して抑制的に働くA4GNT遺伝子のプロモータに存在する CAAT-box 付近はこの遺伝子発現に必須であった。そこには一つの転写因子(未公表)が結合することを確かめたが、RNA干渉法によってこの転写因子の発現を抑制し、定量PCR法にて解析すると逆にA4GNT遺伝子の発現上昇がみられた。実際にヒトの胃幽門部粘膜下層を免疫組織学的に解析すると、A4GNTが発現する部位においてその転写因子の発現は抑制され、癌化でA4GNTの発現が消失した部位にその発現が促進されていた。これらのことからこの転写因子はA4GNT遺伝子を負に制御することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この度同定したA4GNT遺伝子のプロモータに結合する転写因子は、A4GNT遺伝子発現を負に制御する可能性があるものであった。このことを胃癌の予防や治癒の観点で考えると、この転写因子を胃幽門部など特異的に局所的に発現抑制させることが発癌抑制につながる可能性は考えられる。しかしながら本研究の成果から現時点でその可能性について是非を問うには情報が不十分である。また、この転写因子でA4GNT遺伝子発現を解釈するならば、胃幽門部におけるその発現制御や機能制御についてより深く掘り下げた解析が要求される。
|