研究課題/領域番号 |
20K09081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
新田 英利 熊本大学, 病院, 助教 (90555749)
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研究分担者 |
今井 克憲 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (60555746)
林 洋光 熊本大学, 病院, 講師 (80625773)
山村 謙介 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (10816507)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | C5a receptor / C5a / Pancreatic cancer / CAFs / cancer stemness / 補体C5a / C5a受容体 / 癌間質細胞 / 膵癌幹細胞 / 膵癌 / 癌幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
補体C5aは最も強力なchemoattractantであり体内での炎症反応を誘導する因子である。C5aRがヒトの固形癌にも発現しており、癌の浸潤・転移を促進させていることが明らかとなってきた。また膵癌においてCAFsは癌の浸潤・転移に関与しているこが明らかとなりつつあり、さらに癌組織中の間質中に存在するCAFsがC5aRを新たなマーカーとして発現し、肺癌や乳癌において癌幹細胞の機能維持に役割を果たしていることが示された。本研究では膵癌CAFsにおけるC5aRを介した癌の進展について検討し、C5aRを標的とした膵癌治療法を確立することが更なる癌治療の成績向上に役立つかを検討する。
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研究成果の概要 |
膵癌においてC5a-C5aRを治療ターゲットとすることで癌幹細胞を制御し膵癌治療につながる可能性がある。また癌関連線維芽細胞CAFs上に発現したC5aRをターゲットすることで新たな癌治療の道を切り開く可能性がある。 今までの研究結果として、C5aR陽性の膵癌由来CAFsにおいてC5aと反応することでactivateされ、さらにC5aで刺激したCAFsと癌細胞を共培養することで癌細胞の浸潤能が高まることが明らかとなった。以上よりCAFsに発現したC5aRをブロックすることが膵癌細胞の進展を抑えることが示唆された。一方で今回の解析でC5aと膵癌幹細胞の関連性については示すことはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性癌の代表格である膵癌は腫瘍の増大に間質増生を伴うことが特徴的である。特に膵癌間質細胞の大部分をしめるCAFsは膵癌の浸潤、制癌剤耐性に重要な働きを示している。今回の研究結果からCAFsはC5aRを発現しており、これがC5aによって刺激されることが明らかとなった。さらにC5aで刺激されたCAFsは膵癌細胞の浸潤能を高めることが分かった。以上より膵癌においてC5aRをターゲットとした治療が有効であることが示唆されたため、膵癌の新たな治療として期待できる。
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