研究課題/領域番号 |
20K09087
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
尾原 秀明 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (20276265)
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研究分担者 |
松原 由美子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (70365427)
福田 和正 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50348786)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / 虚血再灌流 / 肝移植 / 細胞シート / 肝虚血再灌流血流障害 / ASCL |
研究開始時の研究の概要 |
肝移植時の重篤な合併症の1つに肝虚血再灌流血流障害があり、いまだ解決されていない課題である。虚血再灌流は、高度な炎症反応、血管内皮細胞傷害、微小循環障害を惹起し、臓器障害に進展するとともに、急性細胞性拒絶反応も増悪する可能性が考えられている。一方、近年、組織/器官障害に対する新しい治療法として幹細胞の応用が期待されている。本研究では、ラット肝虚血再灌流障害モデルおよび肝移植モデルを用いて、高い幹細胞活性と多様な生理活性等を有する間葉系幹細胞/間質細胞株(ASCL)の有用性を検証する。虚血再灌流障害を抑制し、肝移植の新たな治療法を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ラット肝虚血再灌流モデルにおいて、虚血開始24時間前にコントロール(生理食塩水)、ASC、ASCLをそれぞれ脾臓注入したモデルを作成した。120分虚血後の生存率は、無治療のコントロール群と比べ、ASCL又はASCの前投与群では生存率が有意に上昇した。60分虚血後のAST/ALT値は、再灌流3時間後ではASCL群はコントロール群と比較し有意に低下した。HE及びTUNEL染色ではコントロール群と比較し、ASCL及びASCs群ではアポ トーシスと組織障害が明らかに軽減した。ASCLはin vivoにおいても抗炎症性サイトカインを発現すること により、虚血再灌流障害を抑制する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で使用するASCLは、国際細胞治療学会が定める間葉系幹細胞の定義を全て満たしており、既に医療応用されている他の間葉系幹細胞と同様、高い安全性を有している。一方、従来の間葉系幹細胞の採取方法では、完全に均一な性質を持つ細胞集団を得ることが困難であったが、ASCLはこの課題を克服している。本研究は、これまでの国内外で実施されてきた研究とは異なる世界初の研究である。本研究結果からASCLは肝虚血再灌流障害を抑制することが示唆され、実臨床の肝移植手術における応用が期待される。
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