研究課題/領域番号 |
20K09109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 教授 (70332369)
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研究分担者 |
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 染色体不安定性 / セントロメア / Satellite α tanscript / 薬剤感受性 / 大腸癌 / 脱メチル化異常 / 発癌リスク / サテライトDNA / 転移形成 |
研究開始時の研究の概要 |
正常な染色体分配には、セントロメア領域の転写産物であるSatellite α transcript (Sat A)が重要な役割を担っています。我々はその領域のメチル化異常によりSat Aが過剰発現し、染色体の数的異常を誘導し、染色体不安定性に関わる事を示しました。 本研究では、Sat Aが誘導する染色体不安定性が癌の進展、特に転移形成にどのように関わるか我々の研究課題を発展させると共に、染色体不安定性の臨床的意義を異なる視点から見直す事で、診断や治療の新たなアプローチに展開しようと考えます。染色体不安定性という癌の発生や進展に与する因子を抗がん剤の標的として捉え、診断や治療に応用します。
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研究成果の概要 |
膵癌細胞にDNA脱メチル化剤を投与し染色体不安定生(CIN)を誘導すると、浸潤性の高い表現型に変化することを明らかにしました。また、脱メチル化の程度が高い膵癌患者は術中occult metastasisが発見される事が多く、予後も不良で転移形成が関わる生物学的悪性度の指標になる事を示しました。 薬剤感受性への影響も明らかになりました。マウスのmajor satellite RNAを組み込んだレトロウイルスベクターを構築し、マイクロサテライト安定性を有するマウスの大腸癌細胞株に感染させCINを誘導させると、トポイソメラーゼ I 阻害剤の感受性を高めCINによる薬剤耐性の克服の可能性を示しました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、SatAが誘導する染色体不安定性が癌の進展、特に転移形成にどのように関わるのか我々のこれまでの研究課題を発展させると共に、染色体不安定性の臨床的意義を異なる視点から見直す事で、診断や治療の新たなアプローチに展開しようとするものです。染色体不安定性という生物学的悪性度から評価する転移・再発の診断アプローチへの応用に加えて、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測因子の確立、感受性亢進、耐性の克服といった新たな治療アプローチに展開できると期待されます。
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