研究課題/領域番号 |
20K09158
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太良 修平 日本医科大学, 医学部, 講師 (80465319)
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研究分担者 |
中澤 靖元 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20456255)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生分解性素材 / 人工血管 / 血管リモデリング / 多層性構造 / 生体吸収性 / シルクフィブロイン / ポリビニルアルコール / シルクエラスチン / コアシェル / 水中引張試験 / 溶解性試験 / 炎症試験 / 生分解性人工血管 / 血管再生 / 多層性スキャフォルド |
研究開始時の研究の概要 |
生分解性人工血管は、移植後の分解に伴う再生血管構築により自己血管組織へ置換されるため、長期開存が期待できる。しかし、高い耐圧性が求められる動脈系への応用には至っていない。なぜなら、スキャフォルドの分解に伴う耐圧性喪失と血管再生による耐圧性獲得の経時的な力学的バランスが達成されていないからである。我々は、スキャフォルドの血管内腔面で発生した再生血管組織を外側に向かって効果的に誘導するためには、血管内腔側から徐々に分解が進行する多層構造がスキャフォルドに必要と考えた。本研究課題では、多層構造を持つスキャフォルドを作製し、理想的な血管再生を誘導する動脈グラフトを創製する。
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研究成果の概要 |
吸収期間の長いシルクフィブロイン(SF)と吸収期間の短いポリビニルアルコール(PVA)を用いて、段階的に吐出スピードをそれぞれ変えることにより、多層構造のシートを作製した。引っ張り試験による応力・ひずみ曲線では、PVAの比率が高いほど、最大強度はやや低下するものの、ヤング率は低下することが示された。ヒト皮膚微小血管内皮細胞を用いた細胞接着試験(播種後2時間)では、多層性シートの血管内腔面にあたる組成、最外層にあたる組成の両方で良好な細胞接着を確認した。続いてラット腹部動脈への埋植試験を実施し、良好な組織リモデリングを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、多層構造により血管リモデリングの促進が示された。この結果により、人工血管の素材と構造において、これまでにない新しい方向性が示された。将来的に様々な生体吸収性素材の組み合わせることにより、最適な人工血管素材を創製する足掛かりになることが期待される。
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