研究課題/領域番号 |
20K09163
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 絵里子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90814591)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 脂肪組織由来幹細胞 / 慢性閉塞性肺疾患 / 細胞移植治療 / 肺胞上皮細胞 / 肺再生 / iPS細胞 / 細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
難治性呼吸器疾患は年々増加し、特に慢性閉塞性肺疾患は 2030年には世界の死因の第3位になる。しかし難治性呼吸器疾患の根治的な治療法は確立されておらず、新たな治療法の開発が急務であり、再生医療の実用化が切望されている。幹細胞を用いた再生医療は近年の重要な研究領域の一つであるが、臨床応用に向けて解決すべき問題点は多い。そこで我々は脂肪組織由来幹細胞 (ADSCs)・人工多能性幹細胞細胞 (iPSCs) をII型肺胞細胞へ分化させ肺胞組織再生を行うことに焦点をおいた肺再生医療を開発することを目的とし、ADSCs ・iPSCsを用いた細胞補充療法による肺再生医療の確立とそのメカニズムを解明する。
|
研究成果の概要 |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は非可逆性の慢性進行性の肺疾患で、根治的な治療法がなく 、新たな 再生医療の開発が望まれている。今回、脂肪組織由来幹細胞 (ADSCs)から 肺胞上皮細胞へ分化することで肺胞を再生させるという、COPDに対する ADSCs 補充療法の研究を行っ た 。ADSCsを肺気腫モデルマウスに尾静脈から投与した。マウス肺を遺伝子発現解析を行い、COPDマウスで高発現し、ADSCs投与により改善する遺伝子を確認した。さらに、ヒトのCOPD肺を網羅的に解析し、COPDモデルマウスで高発現していた遺伝子と一致する遺伝子に注目し、ADSCsの傷害肺の修復メカニズムを解析した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性閉塞性肺疾患 (COPD)などの難治性呼吸器疾患は年々著しく増加している。 肺移植以外の根治的な治療法は確立されておらず、予後不良であり新たな治療法の開発が喫緊の課題である。現在の幹細胞治療ではパラクラン効果が主な作用であり、このような非可逆的な肺胞破壊を伴う難治性呼吸器疾患に対しては治療効果に限界がある。本研究では幹細胞自身が肺胞細胞へ分化する可能性を示し、COPDに対する根治的な肺胞再生治療の可能性を示した。また障害肺におけるマウスとヒトの共通遺伝子に注目することでヒトへの効果やメカニズムをより詳細に検討できる。
|