研究課題/領域番号 |
20K09167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
鈴木 実 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (80312940)
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研究分担者 |
池田 公英 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20448525)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 非小細胞肺癌 / リンパ節転移 / CDCA1 / OSNA法 / 肺癌 / CDCA-1 / OSNA |
研究開始時の研究の概要 |
末梢の小型肺癌に対する肺区域切除の適応には肺門リンパ節転移がないことが条件とされるが、術中リンパ節転移の有無を判定するためにOSNA法が開発され、肺癌でも保険収載された。しかし、従来のOSNAは上皮マーカーであるCK19をターゲットとするため肺門リンパ節の解析の際は正常肺の混入がおこるので偽陽性となり得る。CDCA1は、新規癌精巣抗原として開発された分子で非小細胞肺癌では高率に発現していることが知られている。CDCA1をターゲットとしてOSNA法で判定を行うことで、より正確な術中迅速リンパ節転移判定がものと考えられ、本研究ではCDCA1-OSNA法の実用化を目標とする。
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研究成果の概要 |
CK19をターゲットとした従来法のOSNAでのリンパ節転移の検出を行った結果、解析できた症例は246例、病理診断と照合するとシスメックス社推奨の基準で解析すると感度44.1%, 特異度98.0%となった。また、当科にて根治的切除を行ったpN0非小細胞肺癌症例269例を対象とし、郭清2群リンパ節におけるCDCA1の発現を検討した結果、腫瘍がNUF2高発現を示した患者は、NUF2低発現の患者と比較して、有意に再発率が高かった(P=0.01)。再発例のうち、NUF2高発現例では縦隔リンパ節転移での再発が多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
OSNA法の結果では、特異度は高いが、感度が低いという結果であった。基準より解析したリンパ節の重量が少ない検体が多かったため、基準値の設定を見直すなど更なる解析が必要である。また、real-time PCRにおける結果ではOSNA法のマーカーであるCK19と比較し、肺門リンパ節をターゲットとした場合、CDCA1を用いたほうが優れていたため、今後CDCA1を用いたOSNA法の開発をめざしていきたい。N0症例の解析における結果からはCDCA1の検出により、病理診断で検出できないmicro metastasis を捉えることができる可能性が示唆された。今後更なる検討を行っていきたい。
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