研究課題/領域番号 |
20K09177
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
見前 隆洋 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (00634081)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | がん代謝 / 酸化的リン酸化 / Glycolysis / Oxphos / 肺腺癌 / ATP関連代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
ATPは生命維持において必須であり、その枯渇はがんに対する新規有効治療となる。 ATP産生経路はGlycolysis型 とOXPHOS型に大別される。特に抗がん剤抵抗性癌細胞は OXPHOS型 の性質を示すことが知られ、代謝経路阻害に着目した全く新たな治療戦略となり得る。 我々の先行研究(応募者の2018-2019 研究活動スタート支援)より、肺癌の中で最多の組織型である肺腺癌の多くは Glycolysis型 と OXPHOS型 に明確に分類可能であることを明らかにした。 本研究では切除された肺腺癌のATP関連がん代謝経路を解析し、その制御を標的とした新規治療戦略の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
TCGAデータベースを用いて、肺腺癌症例におけるGlycolysis関連分子群、OXPHOS関連分子群それぞれの遺伝子発現のパターンに沿ったクラスタリングを行い、がん代謝性質別に分類を行なった。 ヒト肺腺癌検体を用いた免疫組織学的染色でPPARg発現量と患者の予後が相関し、OXPHOS代謝を制御することで癌細胞の増殖が抑制できないかと考えた。 そこで、ミトコンドリア呼吸を標的とした薬剤の抗腫瘍効果とがん代謝関連分子の発現パターンとの関係を解析し、OXPHOS関連の分子が高発現を示す細胞株で有意にミトコンドリア呼吸の抑制による増殖抑制効果が認められた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺腺癌は早期では手術による成績がある程度望めるが、進行癌ではその予後は非常に不良で、さらなる治療開発が必要とされる分野であり、その罹患数の多さからも社会的ニーズが高い。 本研究ではがん代謝を標的とした新規治療開発であり、現在ではまだ世界的にも開発段階の治療法に注目している。用いた代謝阻害薬は肺腺癌細胞に対しては、正常細胞では死滅しない濃度で効果を発揮することがin vitroではあるが示された。またその対象となる集団がある一定数は望めることをヒト検体を用いて確認していることから、ヒトへの応用が期待できる。
|