研究課題/領域番号 |
20K09199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山浦 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264041)
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研究分担者 |
東 みどり子 九州大学, 医学研究院, 准教授 (50315082)
住江 誠 九州大学, 医学研究院, 助教 (60792918)
松下 克之 九州大学, 大学病院, 助教 (60794211)
水田 幸恵 九州大学, 医学研究院, 助教 (20906341)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | CRPS / デクスメデトミジン / 複合性局所疼痛症候群 / Dexmedetomidine |
研究開始時の研究の概要 |
複合性局所疼痛症候群(CRPS)は発症初期において炎症反応による発症機転の他、発汗や皮膚温の異常といった交感神経を介したものが認められる。 デクスメデトミジンは脳の青斑核のα2受容体を介して大脳皮質等の上位中枢を抑制、また下降性疼痛抑制系を介して脊髄後角を抑制的することで鎮痛効果を発揮する。さらに孤束核の交感神経を抑制する。また、損傷脊髄のneuroinflammationを抑制することで神経学的予後を改善する。 今回、CRPSの発症と症状の増悪には虚血再灌流障害による炎症性サイトカインの増加と交感神経を介したものが関与しているという仮説を立て、それに対してデクスメデトミジンの効果を検証する。
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研究実績の概要 |
マウスを静かな環境でvon frey検査台に1匹ずつ1時間以上静置し、環境に順化させた後に、von Frey フィラメントを足底に当てて逃避反応を起こす閾値を測定し、先行論文で行われている計算方法にて、疼痛閾値を数値化した。疼痛モデル作成前および1週間毎に疼痛モデル作成6週後まで行なった。 マウスをイソフルレン(2%)で麻酔下に腹臥位とし、筋を鈍的に剥離し左側の坐骨神経を露出した。坐骨神経が大腿下1/3程度で3本に分岐するが、そのうち外側の2本を6-0プロリン糸で結紮し、2mm以上切断し、最癒着しないようにした。内側1本は切断せずに残した。閉創後、麻酔下に仰臥位とし、患肢をギプス包帯とアルミシールにて保定し、膝関節の可動を制限した。ギプス包帯は毎日観察しながら2週間継続し、マウスが齧って外れそうな際は再装着を行なった。2週間後に麻酔下に解除し、患肢の腫脹を確認した。 von FreyテストではCRPSモデルではモデル作成後2週間後から6週間後まで持続する疼痛閾値の低下を認めた。まずマウスにデクスメデトミジンを投与するにあたっての投与量を検討した。Sigma-Aldrich デクスメデトミジン 塩酸塩 SML0956 10μg/mL(生食)に希釈 50μg/kg/回 25gマウスでは125μg/回を麻酔下に腹腔内投与を2時間毎に4回行なった。 2回目からはマウスの疼痛閾値が上昇しておりイソフルラン麻酔なしで施行した。 各投与後2時間弱は鎮静から傾眠であるが、翌朝には活発な様子であったため、安全な投与量であると判断した。次に、デクスメデトミジンがCRPSでの疼痛に影響を与えるのか調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まだ各群n=1でありnを増やした検討が必要である。 デクスメデトミジン投与のみでのvon frey testは施行しておらず、その群の検討が必要であると考える。 デクスメデトミジン投与のみでvon frey testの閾値が長期間上昇している可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
今回、CRPSモデルにデクスメデトミジン一回目投与を先行しており、モデル作成後の投与は行なっていないことから純粋な治療モデルではない。投与タイミングと病態の変化を確認すれば更なる機序の解明につながると考えられる。
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