研究課題/領域番号 |
20K09201
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
水原 敬洋 横浜市立大学, データサイエンス研究科, 准教授 (00637712)
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研究分担者 |
後藤 隆久 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00256075)
窪田 和巳 横浜市立大学, データサイエンス研究科, 特任准教授 (50728946)
東條 健太郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80737552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | メラトニン / ラメルテオン / 術後睡眠障害 / 系統的レビュー / メタ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
全身麻酔後に起こる術後睡眠障害は成人の半数以上で起こる合併症であり,その予防は重要 課題である.メラトニンの持つ概日リズム調整効果により術後睡眠障害が予防できる可能性 があるが,未だそのエビデンスは確立されていない.また,本邦ではメラトニンは使用でき ないが,代わりにメラトニン受容体刺激薬であるラメルテオンの使用が可能である.我々は 連続的に以下の2つの研究を行い,メラトニン及びラメルテオンの術後睡眠障害予防効果を 明らかにする計画を立てた. ①メラトニン前投薬による術後睡眠障害防効果の検討:系統的レビュー・メタ解析. ②ラメルテオン前投薬による術後睡眠障害予防効果の検討:ランダム化比較試験.
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研究実績の概要 |
本研究では,メラトニン/ラメルテオン投与により成人患者における術後睡眠障害が予防できるかどうかを検証する. 第一段階として、メラトニン前投薬による術後覚醒時せん妄予防効果を検討する系統的レビュー・メタ解析を行った。研究チーム内で系統的レビューの手順に関する議論を繰り返し、研究計画書を作成した。研究計画はプロトコル論文として査読付き英文雑誌BMJ Open誌に受理・掲載された(Impact factor 3.0)。Tsukinaga A, Mihara T (corresponding author), et al. Effect of melatonin and melatonin agonists on postoperative sleep quality in adult patients: a protocol for systematic review and meta-analysis with trial sequential analysis. BMJ Open 2021;11:e047858.
その後系統的レビューを実施し、メラトニン投与による睡眠障害予防効果は無い事が明らかとなった。本結果の確信度はGRADE moderateと評価される比較的確信度の高い結果であった。本結果は査読付き英文雑誌Canadian Journal of Anesthesia誌に受理・掲載された(Impact factor 6.7)。 Tsukinaga A, Mihara T (co-first & corresponding author), et al. Effects of melatonin on postoperative sleep quality: a systematic review, meta-analysis, and trial sequential analysis. Can J Anaesth. 2023. doi:10.1007/s12630-023-02442-1
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度において、研究チーム内での対面ディスカッションが必要であったところ、新型コロナウィルスによる世界的パンデミックにより必要な議論ができず、計画を後ろ倒しにした。その影響により当初は全体の研究計画が大幅に遅れたが、その後遠隔会議システムの確立とともに計画を加速し、現在は若干の遅れがある程度となっている。 現在までの研究実績:プロトコル論文、系統的レビュー・メタ解析論文が受理された。 BMJ Open 2021;11:e047858. および Can J Anaesth. 2023. doi:10.1007/s12630-023-02442-1 この結果として、メラトニン投与によるランダム化比較試験を実施する事は薬剤として有望ではない事が判明した。そこで、新たな計画に修正するための事前研究を検討しており、総合的に判断して進捗はやや遅れており、かつ方向性の修正を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
受理されたプロトコル論文通りに研究を遂行し、系統的レビュー・メタ解析が終了し、その結果がCanadian Journal of Anesthesia誌に受理された。この結果として、メラトニン投与によるランダム化比較試験を実施する事は薬剤として有望ではない事が判明した。そこで、新たな計画に修正するための事前研究を検討している。メラトニン投与による効果として概日リズム修正効果が及ぼしえる範囲として「睡眠改善」以外に、「術後せん妄予防」や「ADL改善」などが考えられる。これらに対して効果があるかどうかを確認する系統的レビュー計画を計画しており、より詳細に介入効果を検討するためにネットワークメタ解析も含めて検討中である。そこで、今後の研究の推進方策として以下を考えている。
1.より包括的な評価が可能なネットワークメタ解析を実施するための、チーム作成。2.アウトカム候補の選定後、PROSPEROへの研究登録。3.網羅的検索の実施と文献選別。4.メタ解析実施。5.論文作成。
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