研究課題/領域番号 |
20K09202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
森 隆 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00336786)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | グリコカリックス / 出血性ショック / 水素 / 輸液 / 出血 / 水素含有輸液 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、出血性ショックモデルラットを用いて水素含有輸液を投与する事による血行動態改善効果、血管内皮表面のグリコカリックス保護効果を検討する事である。これまで出血性ショックの病態における水素吸入による予後改善効果は報告されているが、その機序は未だ解明されておらず、本研究では出血性ショックモデルの急性期、慢性期においてグリコカリックス層を評価することで、水素含有輸液投与によるグリコカリックス保護効果、臓器保護効果の機序解明に寄与する事が期待される。
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研究成果の概要 |
出血性ショックモデルラットを用いて、水素含有輸液のグリコカリックス(GCX)保護効果について検討を行った。全身麻酔下のラットをsham群、出血性ショック群、生理食塩水群、膠質液群、水素含有生理食塩水(H2-NS)群に分別した。GCXに関しては、GlycoCheckを用いて赤血球潅流領域(PBR)により評価を行った。H2-NS群の生存率は、他の輸液群と比較し有意に改善した。H2-NS 群では他の輸液群と比較しPBRの上昇は抑制され、水素含有生理食塩水のGCX保護効果が示された。本研究により、出血性ショック時の水素含有輸液投与は生存率を改善し、その機序としてGCX保持効果の関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
循環管理を含めた周術期管理の質は向上しているにも関わらず、危機的大量出血は周術期心停止の最大の要因である。現在使用されている晶質液、膠質液は共に、過剰投与により合併症を引き起こす可能性があり、その使用が制限される。また大量出血を治療する際には、循環不全改善後の再灌流障害を軽減させることが非常に重要であり、これらの点からより効果的な輸液製剤の登場が求められている。本研究により、出血性ショックにおける水素含有輸液のグリコカリックス保護効果、生存率改善などの有効性が示された。今後は大動物を用いた基礎研究や臨床研究において水素含有輸液の有効性をさらに検討していく必要がある。
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