研究課題/領域番号 |
20K09205
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
徳嶺 譲芳 杏林大学, 医学部, 教授 (70274909)
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研究分担者 |
中澤 春政 杏林大学, 医学部, 准教授 (10458888)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 気道確保困難 / 外科的気道確保 / 輪状甲状間膜穿刺 / 輪状甲状間膜切開 / 超音波ガイド / 困難気道 / 気道エコー |
研究開始時の研究の概要 |
どのような状況でも、患者の呼吸が止まれば人工呼吸を行わなければ患者は死亡してしまう。人工呼吸は、口や気管といった空気の通り道に障害物があるとうまくいかない。つまり、喉に何か異常があると人工呼吸は難しい。輪状甲状間膜穿刺は、喉を外から刺して気管に直接管を挿入して人工呼吸を行う方法である。簡単そうに思える手技だが、実際には半分ほどしか成功しない。それは、刺すことができる場所が小さく、外すと出血や気管の背後にある食道を傷つけてしまい、かえって危険な状況になるからである。本研究では、超音波を使用して、正確・安全・円滑に輪状甲状間膜穿刺を行う器具の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
全身麻酔導入後、気道確保が行えない場合の最終手段は、輪上甲状間膜穿刺・切開であるが、麻酔科医による輪上甲状間膜穿刺の成功率が低いことが報告されている。一方、穿刺成功率に関連する輪状甲状間膜の同定は、従来の触知法よりも、超音波による観察の方が正確であることがわかってきた。そこで我々は、超音波で輪状甲状間膜を同定することで、安全正確な新しい輪状甲状間膜穿刺針を開発した。開発した穿刺針、市販の穿刺針、あるいは現在標準手技と考えられている切開法を、豚喉頭の輪状甲状間膜を用いて比較検討した。超音波ガイド輪状甲状間膜穿刺針は、他の方法に比べ施行時間が長いが、最も安全である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回、世界で初めて、超音波ガイドによる輪状甲状間膜穿刺針を開発した。この針は、安全確実に輪状甲状間膜穿刺が行える。問題は、この方法がガイドワイヤーを使用するSeldinger法ため、やや迅速性に欠ける点にある。このため、本穿刺針は、予期できなかった緊急の気道確保困難よりも、事前に予期される気道確保困難に対して、安全確実に輪状甲状間膜穿刺が行える器具として価値がある。現在、予期された気道確保困難に対し、意識下挿管および輪状甲状間膜穿刺の準備を同時並行で進める方策が推奨されている。本穿刺針は、血腫、腫瘍および顔面変形等が引き起こす輪状甲状間膜の位置異常に対処できる器具として期待されるであろう。
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