研究課題/領域番号 |
20K09210
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
西 憲一郎 関西医科大学, 医学部, 研究員 (50340716)
|
研究分担者 |
広田 喜一 関西医科大学, 医学部, 研究員 (00283606)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 喫煙 / タバコ / タバコ抽出液 / 肺胞上皮 / 肺血管内皮 / 細胞間バリア / 低酸素誘導性因子 / 肺バリア / 低酸素誘導性因子1 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
喫煙は気管支肺胞系の解剖学的変化を通じて肺機能に大きな影響を及ぼし集中治療を含む周術期の患者全身管理に影響を与え予後に影響することが判明している。この現象の分子基盤として肺胞上皮・肺血管内皮で形成される肺胞バリア機能の惹起される炎症による低下がある。 本研究では、周術期にダイナミックな酸素環境の変化を受ける肺胞上皮細胞・肺血管内皮細胞の細胞間バリアの機能に着目してタバコが転写因子HIF-1(低酸素誘導性因子1)活性化調節を介してバリア機能低下をもたらす分子機序とその予防法の確立を細胞生物学・分子生物学・バイオインフォマティクスを統合した手法を用いて目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究で細胞間バリアの血管透過性を測定するためのシステムを開発し、その透過性が蛍光物質FITC-デキストランの指標で定量化できることを確認した。血管透過性は、リポ多糖(LPS)処理、HIF活性化(低酸素環境とHIF-PH阻害薬の使用)およびタバコ抽出物(CSE)により変化することが観察された。次世代シーケンシング技術により、これらの処理が肺血管内皮細胞 (HPMEC)の遺伝子発現に影響を与えることが確認され、特に細胞間接着分子の発現に影響を与えることが示された。これらの結果から、CSEはHIFを介して細胞間バリアの透過性を増加させることが結論付けられた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タバコ-バリア機能の低下、HIF-1-バリア機能の低下という現象同士をつなぎ、タバコ-HIF-1-バリア機能の低下という関係が存在することを主に肺胞上皮、肺血管内皮のバリア機能を標的に研究することが本研究の具体的な目的であった。この過程でシグナル伝達を改変することでタバコ-バリア機能の低下という関連を切断する端緒をつかむ事も本研究の要素であり、本研究成果は報告者らの今までの研究成果に立脚した独自性の高いものである。
|