研究課題/領域番号 |
20K09223
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
松本 重清 大分大学, 医学部, 准教授 (90274761)
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研究分担者 |
李 丞祐 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (60326460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 揮発性有機化合物 / アンモニア / 術後臓器障害 / 酸化ストレス / 炎症反応 / 周術期呼気バイオマーカー / 急性腎障害 / 臓器傷害早期予測 / 術中バイオマーカー / 急性腎傷害 / 臓器傷害 / 術後合併症 / 呼気モニタリング / 周術期臓器傷害 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
呼気には生体内代謝に関連する数百種類もの揮発性有機化合物(VOCs)が放出される。また、術中は人工呼吸管理されているため、リアルタイムに呼気をサンプリングすることが可能である。本研究では、まず、高濃度で検出される尿中VOCsを網羅的に測定し、術中に変化するVOCsを同定する。続いて、同定されたVOCsの呼気中濃度をリアルタイムに測定できる機器を開発する。最終的には、呼気VOCsの変動と術後合併症の関連を明らかとし、術中の呼気VOCs測定により周術期臓器傷害を早期に検出できることを証明する。
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研究成果の概要 |
各種手術前後で尿を採取し抽出デバイスに移して尿中VOCsを抽出し、GC-MSにて網羅的解析を行った。その結果、手術する臓器により変動するVOCsが異なることが明らかとなった。また、消化器では、他と比較し、6つのVOCsが有意に増加し術後に減少したが、これらは癌のマーカーとなるのかもしれない。 また、最近、東横化学株式会社と李教授が開発したアンモニア測定機により、消化器外科手術と腎臓外科手術において、アンモニアをリアルタイムに測定することに成功した。これらの症例はいずれも正常範囲内の変化であったが、術後に臓器傷害を来すこともなかった。今後も症例を積み重ねていく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術前後に変動するVOCsが手術する臓器により異なることが明らかとなったが、VOCsは各種臓器傷害のマーカーとなるだけではなく、疾患や癌のマーカーとなる可能性があることが示唆された。また、揮発性無機ガスのアンモニアは、肝だけでなく、腎機能とも関連する重要なバイオマーカーである。本研究では、新規モジュール化光学センサを用いて、呼気アンモニアを高感度で高選択性に測定することが可能となり、消化器外科手術と腎臓外科手術において、アンモニアのリアルタイム測定に成功した。この方法を用いて、術後に生じる急性腎傷害など合併症を早期に検出できるようになることが期待される。
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