研究課題/領域番号 |
20K09225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
水野 祐介 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (80433192)
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研究分担者 |
菅原 陽 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (00596413)
古賀 資和 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (00637233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺高血圧 / protain kinase D / 血管平滑筋 / protein kinase D / PKC / 血管収縮 / ROCK / protein kinase d / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
Protein kinase D (PKD)は細胞骨格・運動・増殖等において主要な役割を担い、近年は循環障害の新たな治療標的とされているが、血管機能への関与は不明であった。我々はPKDが血管張力、循環を制御していることを見出し,更にPH患者の肺組織でPKD発現の亢進が報告されたことから,PKDはPHを含む様々な血管障害に関与しているとのではと疑われた。本研究はPH動物モデル、肺血管平滑筋細胞を用い、PKDのPH発症への関与を解明し、更にsiRNA分子標的薬のPKD抑制によるPH治療のスキームの確立を目指す。
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研究実績の概要 |
Protein kinase Dは細胞骨格、運動、増殖、DNA合成等で細胞内で主要な役割を担い、生理的、病理的にも多数の機能を担う。心血管障害への関与が報告されており、心肥大、心不全の新たな治療標的の一つとされている。一方、PKDの血管障害における役割は不明な部分が多い。我々はPKD活性が、PKCやROCK依存性経路とは独立したbranchを形成して血管収縮に関与していることを見出した。更に、肺高血圧患者の肺組織においてPKD活性の上昇が報告され、実験的高血圧動物の血管からもPKD活性上昇が報告されている。
我々は、正常血管平滑筋収縮のにおけるPKD活性化の関与とその機序について解明を行い、MYPT1リン酸化とactin重合化を介しPKDが収縮に関与していることを見出した。更に正常ラット、in vivo においてPKD阻害剤は血管抵抗と血圧を低下させたが、心拍出には影響は無かった。
我々は更に、モノクロタリン誘発肺高血圧ラット、培養肺血管平滑筋細胞等を用いて検討し、肺高血圧ラット肺血管において、PKDの発現と活性が亢進していることを見出した。またPKD阻害剤投与により肺血管弛緩と右室圧低下をきたすことが分かった。肺高血圧症発症・予防に対する、PKD活性抑制の影響を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
我々は、正常血管平滑筋収縮のにおけるPKD活性化の関与とその機序について解明を行い、MYPT1リン酸化とactin重合化を介しPKDが収縮に関与していることを見出した。一方で、この機序には細胞内カルシウム濃度の制御は関与していなかった。更に正常ラット、in vivo においてPKD阻害剤は血管抵抗と血圧させ低下させたが、心拍出には影響は無かった。これにより、血管抵抗と循環動態にPKDが関与していることが示唆された。 一方、モノクロタリン誘発肺高血圧ラットにおいては、PKDの発現と活性が亢進していることを見出した。またPKD阻害剤投与により肺血管弛緩と右室圧低下をきたすことが分かった。培養肺血管平滑筋細胞においてはもMYPT1がPKDのeffectorである可能性が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
肺高血圧症発症・予防に対する、PKD活性抑制の影響を検討している。
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